明日ちゃんのセーラー服 12話「ひとりじゃないんだ」(最終話)

体育祭当日。
そして後夜祭のステージへ向かう、明日ちゃん。

さすがの明日ちゃんの緊張している様子で
ここまでBGMが無いことで、
その緊張感と独特な空気感が伝わってきて見ているこっちもドキドキしてきます。

ステージ上の位置に付いて、いざ始めようと、挑もうとしたタイミングで
すっとステージ横からドレス姿で現れてピアノを演奏する体勢に入る江利花ちゃん。

その気配に気付いても決して顔をそちらに向けることなく全てを感じ取る

ピアノの演奏があるなんてそんな夢みたいな事、
そう思っていた明日ちゃんにとって夢のようなステージを演出してくれるのが
一番の友達になった江利花ちゃん

すごく、良いですね…。


今回の体育祭の期間中、あらゆる競技の場に顔を出して
みんなを全力で応援し続けた明日ちゃん

その中には見事に勝てた卓球や
バドミントンで負けて泣くほど悔しがった蛍ちゃん、
でもしっかりその後にバスケで取り返してみんなで喜んで

そんな一緒に喜んで、一緒に悔しがって
全力で応援してくれた事をクラスメイトはみんな知っているから

だから明日ちゃんに惹かれていく。


水泳では明日ちゃんからりりちゃんへとリレーして勝利を掴み、
みんなで練習したバレーボールでは
もう負けを覚悟するくらいにギリギリまで追い詰められたけど
鷲尾さんに鼓舞されてもう一度頑張って、ボールに食らいついて、
必死に繋いだボールで決めたスパイクでクラスのみんなの力で取った勝利。


あんなに凄いことが出来たんだから
このステージでももっと凄いことが出来るはず!


いつも明るくて笑顔で、元気な表情のイメージがある明日ちゃんだけど
体育祭では真剣で眼差しで、上手く行かないと悔しい顔をして、

同じようにステージ上でもコロコロと変わる表情に
一つ一つ想いが込められているのが伝わってきて

明日ちゃんの表現力の高さが感じ取れます。


そんな明日ちゃんのパフォーマンスに負けないように
1人でずっと練習して、練習し続けて、この場に挑んだ江利花ちゃん

明日ちゃんの、小路さんのためにと演奏したメロディは
本当に惹き込まれる旋律で

圧倒的なピアノ演奏からの後半パートへ切り替わる瞬間に
ピアノに隠れて横にスタンバイしていた透子ちゃんから素早く受け取ったヴァイオリンにスイッチ

こちらも圧倒的な演奏技術。


高い身体能力でステージ上を駆け回り、飛び跳ねる明日ちゃんのダイナミックなパフォーマンスにも
江利花ちゃんの演奏は全く負けていないのが凄いです。(そして最後のグリッサンド!)

これは本当に拍手を贈りたい。


ここまでの濃い内容がAパートに収まっているなんて信じられない。



Bパートでは楽しかった体育祭が終わり、
また新たな朝が来て、新しい1日の始まり。

登校すると教室には江利花ちゃんが1人。

いつもと変わらない1日の始まり、
だけどまた楽しいことが起こるかもしれない1日。

明日ちゃんの、たくさんの友達に囲まれた学校生活は
これからももっと楽しいことがいっぱい待っているのは間違いないです。


最後は原作・博先生の後夜祭のステージ直後と思われる集合イラストで。




全12話、終わりました。

とにかく凄いアニメでした。


この「明日ちゃんのセーラー服」、原作は漫画ではあるものの
従来の漫画とは全く違うと言っていいほど表現方法にこだわった作品になっていて
漫画なのに躍動感があって、ちゃんと動きがあるんです。

それを見事にアニメで表現されていることにまず驚きました。

キャラクターデザイン等も通常はアニメで描きやすいように省略したり
ひと目で分かるくらいに変えてしまうパターンも珍しくない中、
この「明日ちゃん」は、出来る限り原作の漫画に忠実に再現されているのに
アニメ制作するにあたり凄い努力があったことでしょう。


全12話という限られた時間の中で表現するにあたり
アニメオリジナルのパートや、話の順番に入れ替えなどはありましたが
それでも原作ファンでもアニメ組でも納得の展開になっていて

これが無いと原作ファンはがっかりしていたに違いない「縄跳び」パートは
本編中では展開がオリジナルになった事でカットされてしまったけど
それを補う形で特殊エンディングでしっかり補完。

「明日ちゃんのなわとび」と題名のついた特殊エンディングでは
躍動感のある明日ちゃんの縄跳びパフォーマンスを完璧に表現。

明日ちゃんの歌うエンディング曲「風にまかせて」も
縄跳びの跳ねるタイミングに合わせるように楽しい楽曲に仕上がっていて、
これは歴史に残るエンディングになったと言っても良いでしょう。


もちろん通常オープニングもエンディングも評判は高く、
特にオープニングは杉山勝彦さん作詞作曲編曲の
一度聴いたら忘れられないクオリティの高い「はじまりのセツナ」に乗せて描かれるオープニング映像では
16人のクラスメイトをしっかり紹介するように映しながらも
サビの部分では明日ちゃんが手を引っ張っている子が誰なのかは見せない演出がとても上手い!

クラスメイトみんなとすぐに友達になってしまった明日ちゃんなら
見る人によって、見るタイミングによって、このサビの相手が変わって見えるのは面白いです。
(身長的に蛍ちゃんは少し大変そうだけど!)


これらのオープニング曲「はじまりのセツナ」もエンディング曲「Baton」「風にまかせて」も
いずれも作中に登場するアイドルで明日ちゃんの憧れの存在である福元幹の曲を
1年3組のみんなで、もしくは明日ちゃんがカバーして歌っているという設定も面白い。



アニメ本編以外の部分では
この作品はウェブラジオのようなものは無かったものの
アニメ放送直前にはツイッターのスペース機能を使って30分以上のトークを配信したり、
深夜になる放送直後にはYouTubeライブで映像配信をするなど
ある意味ウェブラジオよりも力の入ったものを提供してくれました。

そのどちらもメインMC、パーソナリティを努めたのは
明日小路役の村上まなつさん。

まなつさんは声優ユニットDIALOGUE+のメンバーなので
DIALOGUE+ファンの方には知られた存在ではありますが
TVアニメでは初主演ということでもっと緊張してもいいくらいなのに
スペースやYouTubeライブで、元気いっぱいで色んな話題を楽しそうにトークする様子は
まるで本当の小路ちゃんのようでした

間違いなく「明日ちゃん」を通して村上まなつさんのファンは増えたと思います。



また、公式YouTubeチャンネルでは「まなつの宿題」という題名で
村上まなつさんが様々な「宿題」に挑戦する動画が今の時点で4本ほど公開されています。

第1回では縄跳びに挑戦したり、第4回ではゲストに木崎江利花役の雨宮天さんを呼んで
アニメのように2人で一緒に釣りをしたりと
こちらもなかなか楽しい動画なので是非見て欲しいです。



教室の床を見ただけでも分かる圧倒的なクオリティの背景、
明日ちゃんの高い身体能力を余すこと無く表現する作画や動画、
明日ちゃんとクラスメイトの関係性を活き活きと描いたシナリオ、
作品を盛り上げる数々の楽曲、オープニング・エンディング映像。

そして村上まなつさんを始めとした
キャラクターの魅力を引き出すキャスト陣の素晴らしい演技。

アニメーターの方たちも自主的にツイッターで応援イラストをアップするくらい
ファンにもスタッフにも愛された作品。

だからこそもっと、もっと明日ちゃんの笑顔と走り回る姿を、物語の続きを、
いつかアニメでも見てみたいですね。



<公式サイト>
TVアニメ「明日ちゃんのセーラー服」公式サイト【2022.1.8 ON AIR】
TVアニメ「明日ちゃんのセーラー服」【公式】さん (@AKEBI_chan) / Twitter
【公式】TVアニメ『明日ちゃんのセーラー服 』(@akebichan_no_insta) • Instagram写真と動画

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