俺を好きなのはお前だけかよ 12話「俺が好きなのは……」(最終話)

最終話。

主人公であるジョーロが動き出さないなら周りが先に動き出す。
今回はサンちゃんが動いて、
ヒロインであるツバキがヒントを与えて
ようやくジョーロが本来の役割を思い出す。

ジョーロの本来の姿、悪い顔で事態を強引にでも打開していく、
その姿こそパンジーが望んだ部分でもあるでしょうし
あのジョーロが綺麗に解決していく事なんて誰も望んでいないでしょう。

しかし、それだけで終わらないのが
この作品のヒロインらしいところ。

ジョーロの卑怯とも言えるホースに仕掛けたゲーム、
ジョーロの勝利への目論見のさらにその上を行くのがヒロインたち

普通に考えるとジョーロと仲の良いヒロインが4人、
ホースに近いヒロインが2人ならジョーロが勝つはずのところを
ジョーロにとって盲点だったのが
ジョーロ勝つ=ジョーロはパンジーと付き合ってしまうのではないか!という部分

なので、コスモスもひまわりも、あすなろもジョーロじゃなくホースに一票を入れる。

そこでちゃんと投票理由も言う、これはジョーロに向かってでもあるし
同時にチェリーとつきみの2人に向かってでもある。

ホースへの気持ちを抑えて、ホースとパンジーを応援しようとする2人に
自分の気持ちに素直になれとプレッシャーをかける。

賢いです、このヒロインたち。

一瞬にして状況を理解し、
「このままホースに投票すると、ホースはパンジーと付き合っちゃうかもよ?どうする?」と投げかける。

なんて賢い作戦であり、なんて回りくどいのでしょう!


そんな簡単には終わらせないやり取りこそが「俺好き」の面白いところです。






最終話はウェブで!(有料)、最終話はOVAで!というパターンの深夜アニメも
少ないもののたまに見かけますが
殆どの場合、それは最終話あたりで突然告知されるため
視聴者側のリアクションとしては、ネガティブなモノになることがどうしても多いです。

しかしこの「俺好き」が上手いなと思ったのは
その後のどうなるかの展開は読める、読めるけどそれは確定ではない。というところ。

つまり、次の展開が読めるヒントを与えるところまではしっかり放送しているということ。

続きをしっかり確認したい人はOVAを購入すれば映像で見ることが出来ますし、
そこまでするほどじゃないと判断した人でも
ちゃんと放送したアニメの内容を見ていれば展開は分かるので大きく損した気分にはならない。

制作側がそこまで狙っていたのかは分かりませんが
従来の他作品に比べると続きはOVAで!ながらも上手いのではないでしょうか。



原作イラストがブリキなだけあって
登場するヒロインはどの子もとても可愛いです。

最初こそジョーロを利用し、
ジョーロを自分勝手に振り回すヒロインたちでしたが
その事件を乗り越えてからはジョーロの方を見ていて
見事なタイトル詐欺を決めてくれていますが、それでいいんです。

そうじゃないと、タイトル通りに進んでしまうと
可愛いヒロインに囲まれているのにあまりにも理不尽で悲しすぎる物語になりますので。


パンジーははっきりとは言ってくれない謎な部分も多いけど
しっかり先まで考えているミステリアスな雰囲気で
付き合うと振り回されそうで、内心では簡単にデレデレになりそうな
この作品を象徴するような少し面倒なヒロインなのが面白い。

TODAY'S PANSY SPECIAL | TVアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」


コスモスは髪がロングで若干パンジーとキャラ被りしそうだけど、
生徒会長で真面目なキャラのように見えて冗談も言うしポンコツ要素も多く
突付くともっと楽しい事になりそうな可能性を秘めているのを感じます。


ひまわりは元気、元気なのがひまわり!
いつでも元気で朝は飛びついてくる、かわいい。
他のヒロインより少し小柄で、かわいい。
部活はテニス部で、かわいい。
クリームパンが好きなところ、かわいい。

いつも元気で、笑顔で、
だからこそ、その笑顔のままに
最初にジョーロを裏切るような利用するような事をされたときは信じられずショックが大きかった。

それからキャストの白石晴香さんの演技が、声質が、
ひまわりのキャラを表現するのに絶妙だと感じました。

ひまわりのエースをねらえ! SPECIAL | TVアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」


あすなろは最初から一途なんですよね。
最初のやり方こそ少し間違ってしまいましたが
それでもジョーロに対して一途なところはずっと変わらない。

その後に反省してからはパンジーの事を助けるシーンもあって
一番ブレていないヒロインと言えるのではないでしょうか。

もっとあすなろの事も見てあげて欲しいです。


ツバキは裏がありそうな雰囲気で裏が、無い?
ジョーロのことを強力に助けてくれるし、
途中参加ながら一気に重要なヒロインになりました。

もしかすると本性が明らかになるのはアニメで描かれた先になるのかもしれませんが
少なくとも今は、ツバキを見ると、串カツが食べたくなるっ!


サザンカの変貌には驚きしかないです。
今の姿も他に無い感じで面白く可愛いと思うのですが
その姿に慣れるほど、ギャル時代の姿も少し恋しくなる。

あのギャルなビジュアルで
今のデレを楽しむ時間が少しあっても良かったかも。

キャストの斉藤朱夏さんがゴリゴリのギャル演技をしてしまって
それが怖いからと演技を変えたというエピソードも面白い。

たんぽぽは面白い。
立ち位置としてはひまわりに近いのかな?と思いましたが
後輩キャラという武器で一気に上がってきて欲しいと期待していたのに
たんぽぽが見ているのはジョーロじゃなくて、ホースでした。

面白い子なのでヒロイン競争に加わると楽しくなりそうなんですけどね…、
ヒロインの中に後輩キャラは是非とも欲しい。



オープニングは主題歌に斉藤朱夏の1stシングルでもある「パパパ」が使われており
そのノリの良いメロディに合わせて
サビの部分ではヒロインたちが(男も約二人居ますが…)次々と流れるようにポーズを決めるところがとても可愛いんです!

動きとしてはシンプルなものですが
それぞれの動きがキャラクター性を表しているようで何度も見てしまいます。


エンディングに使われている曲は、パンジー(CV.戸松遥)、ひまわり(CV.白石晴香)、
コスモス(CV.三澤紗千香)の3人が歌う「ハナコトバ」

こちらはOPから雰囲気も変わって、一歩一歩踏み出すような曲調。

3ヒロインが仲良さそうで
様々な姿を見せてくれる綺麗なエンディングに仕上がっています。

細かい演出もオシャレで
ひまわり歌唱パートではテニス部のユニフォームを着て、
ボールをバウンドさせるところで水面の波紋のような演出が入るところが好きです。

それぞれのカラーに合わせた淡い色のワンピース姿で
それぞれの愛称に由来する花を持ってるのもシンプルだけど、それがまた良い。

花言葉、花をテーマにした歌詞も良いんです。

それだけにCDでリリースされていないのが残念です。
フルで聴きたい方はBlu-ray1巻の特典CDで



本当の続きはOVAで、という形こそなりましたが
個人的にはこのシナリオなら納得できる範囲だと感じました。

主人公も単純に良いやつじゃない、でも悪いやつでもない、
ヒロインもただ可愛くて主人公に近づいてくるだけじゃない、
すんなり行かせない、一捻り加えた直後にふた捻りを入れてくる。

でもヒロインは可愛いし、魅力的。

メタ発言で「斉藤朱夏も裏切った!」発言には驚きましたが
それも作品に溶け込む事が出来るのはこの作品のノリならでは。

ストーリーに意外性もあって、キャラクターも可愛い、
主題歌も良いし映像も良かった。

十分に毎週楽しませてもらいました。

OVAどうしようかな。それが今の悩み。


<公式サイト>
TVアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」

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