響け!ユーフォニアム 13話「さよならコンクール」(最終話)

いよいよ本番当日。
夏の早朝5時、OP無し、BGM無しから始まる緊張感。

久美子意外のメンバーも当日ということで
いつもよりかなり早い時間に学校に集まって音出ししているなど
選ばれなかった部員も含めてメンバー全員の気合が伝わってきます。

その本番に出られなかった人もお守りを作ってきたりと
落ち込んだりやる気が無かったりするんじゃなく
自分のできることをして支えるという雰囲気が良い。

そのお守りの配布シーンだけでも、
優子のだけ夏紀さんの愛が詰まって大きいものになっていたり
久美子麗奈のは色違いでお揃いだったり
その中でも見どころが含まれているのがポイントです。

本番直前では高まった緊張感の中、
それぞれ声をかけたりしているのが良い空気。
その時もソロパートを決めるときにはあれだけの事もあった優子さんが
他の部員に優しく肩に手を置いて声をかけているシーンはとても良いです。
おそらく声をかけられたオーボエ・パートは1人だったか少なかったはずなので
それを思うとより優子さんの気遣いと優しが感じ取れます。

その一悶着あったトランペットのソロパートでは
担当することになった麗奈優子香織さんが挟んで座っているという配置で
ソロ演奏中に香織さんが麗奈を横目で優しい視線を向けていたのが
香織さんの気持ちが詰まっていて印象的です。

本番前はあれだけ緊張していても
終わってみれば一瞬で過ぎ去った2曲の演奏を終えて、出た結果は金賞。
関西出場についてははっきりとは明言されませんでしたが
久美子たち部員の表情、そして最後のセリフ「そして、私達の曲は続くのです!」から考えてきっと上手くいったのでしょう。



全13話。

第1話が始まった時は吹奏楽部の雰囲気の立て直しから始める必要があったり
ただ部の空気を改善していくことだけで終わってしまうのかと
作画のクオリティは良くても、3話くらいまでは地味な印象を持っていたのですが
後半に差し掛かるにつれて面白く感じるようになってきました。

基礎的な部の空気が改善されてからは
一つの目標に向かって1人1人と全員で頑張るという
定番ながら王道な展開はやはり見ていてとても熱いです。

異世界だったり能力者だったりSFやファンタジーを含まない
ただの青春の1ページだけでアニメとしてそれなりにシナリオを面白く仕上げるのは難しそうなのですが
ここは京都アニメーションの得意な分野でしょうか。
(その反動でファンタジー寄りになると不安度が若干増すのも京アニ

そこまでシナリオが構成出来ればあとは京アニの得意とする
細かい作画、背景、そしてキャラクターの仕草が活きてきます。

最終回では会場として京都コンサートホールが出てきましたが
出てくる舞台もも精密に再現されているので聖地巡礼の時の楽しさが増します。


キャラクターは、
まずは主人公となる久美子が普通の主人公タイプとは少し違っていて面白いです。

序盤はそこまでやる気が無かったり、やることも不器用な部分があったり、
麗奈に影響されてからは周りが心配するくらい体調も気にせず全力で練習したり。
何かがあれば一気に加速する熱い子です。

麗奈はクールな見た目で意志が強くて
周りから浮いてしまいがちなタイプなのですが
ソロパート騒動のあとでは久美子以外にも柔らかな一面を見せて
少しずつ上手く溶け込んでいったと思います。
白いワンピース姿で久美子と2人になった時など突然インパクトのある行動をするにも麗奈でした。


久美子、麗奈、葉月、緑輝のメインとなる4人を中心に
それぞれ面白い組み合わせが存在していたのも面白かったです。

過去と序盤と中盤以降で少し関係が変化していった久美子と麗奈、
葉月と塚本、麗奈と香織さんと優子、優子と夏紀、晴香と葵、など。
視点を変えて見ればメイン4人以外の関係性や物語が見えてくるような気がします。

しかし吹奏楽部というだけあって実際に存在する部員の数、キャラクター数が非常に多く
キャストからも顔は覚えられているのに名前が知られていない子が珍しくなく
それなのにどのキャラも個性的だったので全キャラクターを覚えたくなるところですが
アニメ公式サイトでは基本となるキャラクターのみの紹介があるのみで
全部員リストのようなものが無いのが寂しいです。


メインの中では、やはり久美子優子が気に入っているのですが
よく考えてみるともしかしたら久美子・麗奈、優子・夏紀or優子・香織の組み合わせが好きだったのかもしれません。
どちらにしろこの2人にはとても楽しませてもらいました。特に11話は何度も見ました。

それ以外では、ビジュアルの可愛さと何か秘めているようなミステリアスな雰囲気もあって
一瞬のインパクトがとても強力だった、トランペット担当の吉沢秋子が相当強く印象に残っています。
そのインパクトある一瞬のカットは最終話のエンディングの中でも使われていました。

尚、メインキャスト4人から人気の高かった
練習用に集めた毛布で遊んでいた子、通称毛布ちゃんの名前は植田日和子。

他にも今思い出せないだけ、名前が出てこないだけで面白そうなキャラクターが多かっただけに
やっぱり全部員の名前リストが欲しいところです。
Blu-rayの特典とかに付いてきたりするのでしょうか。


あと特徴的な部分といえば音楽でしょうか。
吹奏楽部が舞台となる作品なだけに使用される音楽にも力が入っていて
劇中で使われる演奏曲は洗足学園音楽大学の協力で実際に演奏したものが使われていました。

トランペットのソロ対決の時では麗奈と香織さんの演奏の違いを
吹奏楽の経験がない人、疎い人でもしっかり聞けば分かる程度に細かく表現されていたのも特徴です。

主題歌もそれに負けておらず
特にエンディング主題歌「トゥッティ!」はノリも良く、
放送期間中は思わず口ずさみそうになるくらいハマった方もいるはずです。高揚感!


という感じで、吹奏楽部を舞台にした青春の1コマを京アニらしく上手くまとめ、
力の入った楽曲、そして印象的なたくさんのキャラクター達によって
終わってみれば1クールすごく楽しませてもらいました。面白かったです。


<公式サイト>
TVアニメ『響け!ユーフォニアム』公式サイト

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