中二病でも恋がしたい! 12話「終天の契約(エターナル・エンゲージ)」(最終話)

最終話です。

今回の12話にかなり詰め込んだ感もありますが
破綻はしてなかったので上手いまとめ方だったんじゃないでしょうか。

各キャラの出番もひと通りありましたし
最終話らしいと言えば最終話らしいですが
それと同時に第2期を作ろうと思えば作れる状態に戻したようにも見えたり。

キャラクターの話で言えば今回はキャラチェンジした2人の印象が凄かったです。
まずは凸守ですが、ここまでどちらかと言うとウザキャラで弄られキャラで
森夏の相手として頑張っていたのに、
最後の最後で一時的とはいえかなり強力なキャラチェンジと髪型チェンジを繰り出してきたのは凄かった。
あの毒の抜けた状態の凸守で1つ物語を作っても楽しそう、なんて目で見てたら少しずつ戻っていった凸守を見て
それはまだ早いし無さそうだと感じました・・・。

そしてもう一人はくみん先輩
六花から邪王心眼を受け継いだという設定で学校でかなり痛いことになっていましたが
クラスのみんなからどう思われたかとか考えると可哀想な気持ちになってきます…。
しかし、ただ痛くなっただけで終わるわけじゃないのがくみん先輩というわけで、
最終話では勇太に六花の話を告げるという大きな役割を果たし
くみん先輩って本当は何者なのかと追求したくなりました。

そしてあまり最後は出番の少なかったようにも見える森夏ですが、
六花と勇太を助けるためという理由があるものの
途中からちょっと調子に乗りすぎていた一色をああいう目に合わせちゃうという
森夏さまにしか出来ない大きな仕事をしてくださいました。ありがとうございます。すっきりしました。





というわけで全12話、最終話だったわけですが。

ストーリー方面としては、
途中から急にちょっと思っていた方向とは違う加速の仕方をしたので若干困惑してしまった部分も正直あります。

最初は六花中二病な行動や言動に素直に楽しいという内容だったわけですが
途中からは勇太との恋愛状態に突入、
そうなってしまうと他のヒロインは最後まで完全にサブキャラ、応援役に徹してしまい
せっかくの魅力あるヒロインが恋愛に絡まなかったのは寂しかったです。

逆に言うと勇太は六花一筋の誠実な主人公という見方もできますが
あまりにも六花だけになってしまって
他の可愛いヒロインを100%活かされずに終わってしまったのが勿体無く思います。

中二病でも恋がしたい!」というタイトル通りといえばそうなのですが
そこが少しだけ気になりました。

とは言っても、全12話すべてを見終わったあとから改めて考えると
こういうやり方もまぁありだったのかなと思えたので
多分これで良かったのでしょう。

中二病というコンセプトについては
痛々しいところを思いっきり描いたのはかっこよく面白かったです。
迫力のバトルシーンも物語を面白くするのに大きく貢献していました。


キャラクターについては先程も言ったようにどれも個性的で
この作品の特徴の一つといえると思います。

六花については内田真礼さんの演技が本当に素晴らかった!
前半でよく見かけた涙目だったり訴えかけるような目の六花の演技は
素晴らしく可愛くて、印象に残っています。

森夏については中二病の過去が明らかになってからの
裏の顔は楽しく可愛かったのですが
やはり最後まで恋愛にも絡むことなく、最初とあまり変わらないポジションに居たのは
森夏を活かすという意味で勿体無く、そこが残念でした。
たとえ1話でももっと森夏を可愛く見せる、デレ回のような話が欲しかったです。

凸守はまさに中の人こと上坂すみれ、すみぺらしいキャラでした。
単純に後輩の痛い子というわけでもなく個性的なクセのある演技は
すみぺにしか出来ないのではないでしょうか。
最終話でのイメージチェンジには今までの印象をひっくり返す衝撃のカットでしたが
あまりのも最後の最後すぎて両方を楽しむ時間が残されていなかったのが心残りです。

くみん先輩は、最後まで謎の多い先輩だったように思います。
一色からのアタックや告白を華麗にかわしつつも
本当は何を考えているのか分からない柔らかい先輩でした。
それでも最終話ではキャラチェンジと同時に大きな役割をして先輩としての役目を果たした、かな?

メインとして出てくるヒロインはこの4人なのですが
個人的にこの子は取り上げておきたいというのが上の妹、樟葉です。
妹キャラ好きというのもありますが
もっともっっと活躍、出番が欲しかったです。
あの年齢を通りに成長した家族としての温かみと兄妹のクールな応対は
一気に現実に引き戻してくれる楽しさがありました。

そんな本編ではあまり出番の無かった樟葉の回、実はありました。
それが「中二病」の他とは違う特徴の一つであるWeb配信版、中二病でも恋がしたい!Lite」です。

京アニの公式YouTubeチャンネルにて期間限定で1話ずつ、全6話配信され、
本編の長さは5分から7分台くらいの短いものですが
きちんとオープニングとエンディングも存在する本格的なもので
放送版ではあまり出番の無かった樟葉回(第3話)など見所は多く放送版とは違う楽しさがありました。

最終話ではその「Lite」でも見たシーンが一瞬だけ含まれていましたね。

この「Lite」はBlu-ray・DVDにも収録されるということですので
見逃してしまったという方はそのために購入するのもアリだと思います。


という感じで、気になるところも楽しいところもあった「中二病でも恋がしたい!」ですが、
原作もアニメ制作も京アニで自給自足した京アニの塊とも言えるアニメに最初は不安もありましたが
終わってみるとどこから見ても京アニらしいアニメではあったものの
良い方向での京アニらしいアニメとしてよかったのではないでしょうか。
むしろ中二病のあとに続けて来期から放送される京アニ作品が少し心配なくらい。

それは別の機会に置いておくとして
当初思っていたものとは少し違うものでしたが
このアニメ、「中二病でも恋がしたい!」、楽しく最後まで見ることが出来ました。
さすが京アニです。



<関連エントリ>
[中二病でも恋がしたい!] - 深夜アニメ実況の果て

<公式サイト>
TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』公式サイト
TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』 (anime_chu_2) on Twitter