ハッピーシュガーライフ 12th Life「ハッピーシュガーライフ」

今まで2人で過ごしたお城に最後の別れを告げて
2人の邪魔をする存在にも別れを告げて、
新しいお城に向けて無事に出発できると思っていたのに…

あの時忘れ物をしていなければ
忘れ物をトリに帰らずに諦めていれば
その先2人はどうなっていたのか、どんな生活が待っていたのか、
そんな未来も見てみたかった。

でも、そうならなかった。
ほんの少し計画にズレが生じただけで結末は全く別のものに

明確な意思を持って金属バットを振り回す相手には
さすがのさとちゃんも思うようには抵抗できなかったけど
さとちゃんのピンチはしおちゃんが救う

ずっと一緒に居て、一緒に幸せになろうと誓いあった2人だからこそ
しおちゃんはさとちゃんを守った

自分の母親の事を聞かされても
それでも揺るがない強い意志でしおちゃんはさとちゃんを守った

さとちゃんが何をして、自分が何をされたのかも全て理解した上で
あさひを否定して、さとちゃんを取った

しおちゃんは幼く見えるけど
本当はさとちゃんよりもずっと大人なのかも

さとちゃんとしおちゃん、
2人で新しいお城には行けなくなったけど
それでも最後は、この結末になったとしても、幸せだったのかも。

最後に愛の意味を知ったさとちゃん。

そのさとちゃんが隣から居なくなってしまっても、
それでもさとちゃんを大事に想い、さとちゃんと幸せになる事を信じて、
揺るがないしおちゃんのその意志に、2人にとっての幸せが、
そしてその瞳と「ごめんね、私そういうのもう辞めたの」というセリフにさとちゃんが生き続けていました。

全12話、まずは無事に最後まで放送できて良かったです。

ストーリーはサイコでホラーで猟奇的で
登場人物はみんなどこかおかしくて、それが普通の世界。

いつもはこのタイプの作品は
視聴することはあってもそこまで引き込まれることは少ないのですが
「ハッピーシュガーライフ」は毎週の展開が予想の上を行くもので
キャラクターは可愛いのにそれ以外は正反対で、毎週見ていて引き込まれました。

愛を知らない、愛が分からなかったさとちゃんが
しおちゃんと出会い自分なりの愛を見つけて変わっていく

しおちゃんと2人の幸せのためなら
どんなものでも、どんな相手でも排除する

そのさとちゃんの強い意志は最後まで突き通していました。

しおちゃんも最初はさとちゃんに何か吹き込まれたのか、
それとも心神喪失で心にダメージを負った影響で状況を理解できていないのではと思っていましたが
最後はしっかりとそれらを理解した上で、
自分の意思でさとちゃんを選んだ、選ぶことが出来た強い子でした。

さとちゃんに自分を変えてもらって
さとちゃんの友達で親友で、力になりたかったしょーこちゃん

ほんの少しの大きな間違いをしてしまっただけで
悲しい運命に巻き込まれてしまいました。

さとちゃんの近くでさとちゃんの事をよく知っている、つもり、だった
貴重な存在だっただけにしょーこちゃんの最後は辛いものがありました。

バイト繋がりで言うと、さとちゃんに憧れてさとちゃんが大好きな
すーちゃんことすみれちゃんは癒やしでした。
すーちゃんも当然のように少しおかしい子だけど、
今思うととそんなにおかしく見えないから不思議です…

作中で使用された楽曲もとても作品に合っていて
オープニングの「ワンルームシュガーライフ」の歌詞と
歌は元気だけど同時に怖さも感じる映像。

しょーこちゃんがあの結末を迎えた回での「カナリア」も印象的でした。

そんなしょーこちゃんを含め、
多くの人を巻き込んで辿り着いた先の未来。

思っていた形とは違うものになってしまったけど
それでもさとちゃんとしおちゃんは幸せそうなので
きっとさとちゃんとしおちゃんにとって、この結末はハッピーエンド

ハッピーエンド。ハッピーエンドだけどそれは終わりじゃない。
さとちゃんが居なくなったとしても
さとちゃんとしおちゃん、2人のハッピーシュガーライフはこれからも続く

そこにこの作品の怖さがあるし
そこがこの作品の魅力でした。

全12話、1クールの短い時間だったとは思えないくらい
中身が濃く、最後まで綺麗に纏まっていたと思います。

甘くて苦い、「ハッピーシュガーライフ」

凄い作品でした。