「はいふり」の全てが詰まった 劇場版「ハイスクール・フリート」

はいふり」こと「ハイスクール・フリート」が
映画化されることが発表されてからここまで長かった。

いつだったのかと過去のブログ記事を探してみたところ
映画化が発表されたのは2018年4月7日に横須賀で行われたイベントでした。

というわけで文字通り待ちに待った「劇場版 ハイスクール・フリート」、
もちろん公開初日となる1月18日に朝から映画館に行ってきました。


封切り前には多くのインタビュー記事が各媒体で公開されていたので
自然と期待は高まっていたので、もし裏切られたら…と
どこか片隅に不安もあったのですが、結果としてはそんな心配は要りませんでした!



「劇場版 ハイスクール・フリート」は、
一言で言えば「はいふりの良いところ全部盛り!」でしょうか。

時間にして本編105分の中に「はいふり」らしい要素がいっぱいで、
これが本当に描きたかった事、やりたかった事なんだなと思いました。

前半は横須賀の街に呉、舞鶴佐世保から生徒があつまって
楽しく、そして「はいふり」らしい競技大会が行われます。

小型船の操舵技術や、格闘戦、図上演習など
日頃の勉強の成果が試される内容になっていて各校ともに真剣に争いながらも
随所にギャグ要素もあったり、下には水着を着ていたり、楽しい雰囲気も忘れません。

街には露店も多く出ていて、
シロちゃんも慌てるほどの内容の晴風メンバーの薄い本を売っていたかと思うと
野外入浴セットが元ネタと思われる温泉が用意されていて
ミケちゃんシロちゃんの息ピッタリのサービス…入浴シーンもあったりと、とにかく大規模な文化祭という感じで楽しい!

映画館の大画面で見る白い湯気など無い温泉シーンというのも、良いものですね…。


しかし外国から父親を探すためにやってきたというスーちゃんと出会うことで
何やら物騒な自体へと発展します。

ここからがもう1つの「はいふり」らしい要素、
ダイナミックな艦船と砲撃、水上での熱いシーンです。

色々あってブルーマーメイドの艦が出せないピンチ!
しかし偶然にも横須賀の街には今、艦がいっぱい来ているではないですか!

しかも横須賀女子海洋学校の武蔵を含めた大和型の4隻が勢揃い!

現実ではありえなかった、実現しなかった
大和型4隻が揃って出航するシーンだけでも熱い、熱すぎるのに、
武蔵艦長のもかちゃんが中心となって大和型4隻による交互打方からの統制射撃!!

しかも1回や2回じゃない、出し惜しみせず何度も、砲撃。

超巨大な大和型の主砲から鈍い音と同時に放たれる砲弾、立ち上がる水柱。

これだけでも劇場版を作った
価値があるといってもいいくらいです。

ガルパンのように音声強化版がもしも作られたならと思うと
このシーンはとにかくヤバい。

そして実際の艦にもそれぞれ役割があるように
大型艦だけが活躍するのかと思うとそうじゃない。

大和型に比べるとあまりにも小さい晴風だからこその派手なアクションシーン、
TVアニメシリーズに続いてまたしてもドリフトさせられる晴風

主砲だけじゃない、雷撃も魚雷も駆使して
次々と迫りくるピンチに晴風メンバーが自分のやるべきことをやって
潜り抜けて行くシーンも熱すぎてここでもテンション上がりまくりです。

そして緊迫のシーンだからこそ忘れないちょっとしたギャグ要素。
マッチの「私の部屋がー!」には思わず吹き出しそうになるのを反射的に我慢しました、危なかった。


可愛くて楽しいシーンや、熱い戦闘シーンに目を奪われるところですが
この「劇場版 ハイスクール・フリート」のベースのテーマになっているのが
ミケちゃんとシロちゃんの関係と、これから。

TVアニメシリーズでは序盤から色々とあって大変でしたが
劇場版ではすっかりミケちゃんとシロちゃんは
もう夫婦と言っていいほどのコンビネーションを発揮するまでになっていて、
ミケちゃんが勢いで「これしよう!」となったら、少し呆れながらも必要なものをすぐに確認して手配してくれる
それくらい自然で強い絆に結ばれているところに、シロちゃんに投げかけられる「これから」の問題。

もかちゃんに、あなたにとって艦長とは何か、と聞いてみたり
2つの進路の間でずっと悩む姿は、
TVアニメシリーズでの晴風の大冒険が無ければ見られなかったでしょう。

多くのピンチをみんなで乗り越えてきた晴風メンバー、ミケちゃんとの関係性があるからこそ
こんなにも真剣に悩んでくれたと思うと少し嬉しくもある複雑なシーンでした。

ミケちゃんとしてもシロちゃんが優秀なのは知っているし、
シロちゃんのためにと引き止めることもせず背中を押すつもりの姿勢をずっと貫いていましたが
内心では隣に居て欲しいと思っているだろうなと言うのは表情からも伝わってきます。

だからこそ最後にはシロちゃんらしい良い答えを出したと思います。


劇場版になって、艦橋メンバーで
さらに一段違う姿が見られたなと思うその筆頭がリンちゃんじゃないでしょうか。

機雷などの障害物が幾度と襲いかかる中を
小型船で突破していく競技シーンでのあの見事な操舵テク。

晴風メンバーとの連携もありますが
それ以上にあの激しい操舵を見るとリンちゃんが晴風の操舵を任せられているのも納得です。

船舶が小型になるほどリンちゃんが本領発揮していく、そんな感じがします。

TVアニメシリーズでは臆病でいつも逃げることしか考えていないと悩むシーンもありましたが
劇場版の終盤ではリンちゃんの中に眠る撃て撃て魂が爆発!
比較的安全なリモコン操縦もあってリンちゃんが壊れました、いやこれが本来の姿なのかもしれません。

こんな子かな?と思ったその上を来るリンちゃんには無限の可能性がありますね…


そしてTVアニメシリーズではあまり見せ場がなかったので
劇場版では大暴れしてくれたのが武蔵の艦長である、もかちゃん。

囚われの姫状態だったあの時とは違って
ブルーマーメイドと共に作戦を進言し、大和型の中心となって指揮を執り、
そしてなんと言ってもミケちゃんとの連携です。

果敢に敵に向かっていく晴風の前に砲撃をして赤い水柱を上げ、進路を合図する。

ミケちゃんには事前に説明はしていませんでしたが
ミケちゃんはすぐに意図を理解して、
少しでも弾着位置がずれると晴風を沈めてしまいかねない状況でもお互いを完全に信頼して
スピードを緩めること無く突き進む晴風と武蔵の連携は
TVアニメでは不可能だったからこそ、是非とも見てみたかったシーンでした。

そんなミケちゃんともかちゃんの言葉もいらないほどの信頼があったからこそ
ミケちゃんとシロちゃんの間にすっと入ってくるもかちゃんには少しヒヤッとする事も。

この3人だけで会話するとどうなってしまうのでしょう。

まだ詳細には描かれていないもかちゃんの本性、きっとあるはず。


それから劇場版ならではのお楽しみとして
アプリ版からの登場キャラも含めて他の学校の個性豊かなキャラクターが勢揃いしたことでしょうか。

その学校の、どの艦のキャラクターもかなり個性的で、
特に艦長の個性があまりにも強くて、シュペー艦長のテアが普通に見えてきます。

大和艦長のみやさんは大和型のネームシップだけあって
見るからに強そう、気も強そう、身長も172cmと高くて少し怖さもあるけど苦手な食べ物はじゃがいもらしいです。

信濃艦長のあず社長はビジュアルも可愛くて、シルエットも可愛くて、制服も可愛いのに
突然、艦橋で24時間働かせる方法の話をし始めたりブラックな企業の片鱗が見え隠れ。でも周りからの信頼はあるのです。


他にも鍵となるキャラのスーちゃんの英語が凄かったり、
テアとミーナのドイツ語が凄かったり、気になる要素がいっぱい。

ルナちゃんのちょっとバカっぽいけど癒やされるところとか
しゅうちゃんが突然開眼したりとか
シロちゃんが仁義のない感じのセリフを急に投げ込んできたりとか。

とにかく見るべき要素が多い。

キャストもイチオシの、のむさんの方言シーンも
気付くと一瞬で過ぎ去ってしまうくらい。

ミケちゃんの表情と動きが可愛い!と思っている間に終わってしまいます。

それから改めて感じる「High Free Spirits」の素晴らしさ。
ここしか無い!というタイミングでの「High Free Spirits

TVアニメシリーズでの最終決戦時にBGMとして使われた時も熱くて格好良かったですが
それを思い起こさせる劇場版の「High Free Spirits」、
あのイントロが聞こえてきた瞬間に、行ける!!と思わせてくれる。最高です。

エンディングで流れた劇場版テーマソング「Free Turn」も格好良いし、
とにかく見るべき要素、聞くべき要素が多い。

なのでもう一度くらいは見に行きたいなと思っています。


「劇場版 ハイスクール・フリート」は
ハイスクール・フリート」の特徴でもある「可愛い!楽しい!格好良い!」がギュッと詰まった素晴らしい作品でした。


魅力的なキャラクターが増えるともっとその子について知りたくなるので
次の展開も見られると嬉しいなぁ…

アニメ公式サイト
「劇場版 ハイスクール・フリート」公式サイト 絶賛公開中! 4D版 2.14上映開始!


<2020年1月20日作成>