BEATLESS 22話「Pygmalion」/23話「Beatless」/24話「Boy Meets Girl」(最終話)

BEATLESS Final Stage」と題して駆け抜けたラスト4話。
MBSではそのうち1話を先行放送し、残り3話を続けて合計90分スペシャルとして放送しました。


ここまであらゆる状況を計算し、先を読み、手を打ってきたレイシアも
何体ものレイシア級や超高度AIを立て続けに相手にするには限界があったようです。

メトーデとの戦闘も大変なものでしたが
それ以上にあれほどまでスノウドロップがどんな形になっても追いかけてくるなんて
もうあれは下手なホラーよりホラーな光景でした。

ヒギンズを停止させる目的でここまで来たのに
肝心のレイシアはあと一歩のところでたどり着けませんでしたが
結果的にヒギンズを外部に接続させる大きな賭けに出た事により
ヒギンズ自信から信頼を勝ち得て停止させることが出来た。

それもレイシアがそこまでの道筋を付けてくれたからこそ、
アラトなら出来ると信じたからこその結果。

どこまで行ってもレイシアは凄かった。
レイシアを信じて共に未来をデザインする事を選択する気持ちがわかります。

こうして無事にヒギンズを停止させることは出来たものの
電源が落ちるとデータが飛んでしまうとレイシア本人が言っていた事から
もうあのレイシアに会えないのかとそれだけが残念なラストになるのかと思いました、が

帰ってきてくれました!

これまでの人類未踏産物とは違う形にはなりますが
見た目はレイシアだし、会話してもそこに居るのはレイシア!

これまでのような派手なことは出来ないかもしれませんが
家に居てくれて、帰宅するとそこで迎えてくれる。

レイシアにとっても理想のhIEと人とが共存し支え合う生活が
ここから再び始まります。

レイシアが戻ってきてくれて、良かった。




全24話が終わりました。

当初予定では2クール全24話で終わるところでしたが
制作上の都合により「Intermission」が全部で4回入ったことにより
ラスト4話は2クールの期間に放送することを断念し、
3ヶ月後に「Final Stage」として放送することになりましたが
結果論としてそれでむしろ良かったんじゃないでしょうか。

BEATLESS」は最近のTVアニメではあまり見かけなくなってしまった
しっかりと複雑な設定を考えられた近未来SFです。

設定を理解すればするほど引き込まれていくのが魅力ですが
同時にアニメという限られた時間で視聴者に理解させるのは非常に難しい。

そこで「Intermission」が大きな役割を果たしました。

「Intermission」、つまり総集編に加えて解説パートを適時入れることにより
それまでのストーリーの進行や状況を整理して見ることが出来ました。

もし「Intermission」が無ければ
もっと理解に時間がかかったかも知れません。

ラスト4話もヒギンズを停止させる目的のため最後に行動を起こす
最も盛り上がるパートの1つのブロックなので
この4話で区切ったのも進行上の問題はありませんでした。



次に決して十分な余裕があるとは思えなかった制作の中
最初から最後まで映像が美しかったのは評価されていいと思います。

美しい映像があるからこそ近未来感やSFらしさが自然と入ってきて
ストーリーを盛り上げてくれました。

レイシアなどはフィギュアとして見栄えが良いように
redjuiceさんがデザインされたといった感じのことを目にしましたが
作られたhIEの美しさがそのまま出ていて作品に合っており、
レイシア級のデザイン、デバイスのデザインは
美しさと格好良さ、そして芸術的な面もあり素晴らしいです。


そして本当に感動したのが
レイシア役のキャストである東山奈央さんです。

BEATLESS」はSF作品ということで
こういったAIやロボット、コンピュータなどに興味があまり無かったりと
この手のジャンルに慣れていない人にとってはなかなか設定を理解をし始めるのがきっと難しいはず

それなのにレイシア役の東山奈央さんは
原作をしっかり読み込み、チェックをして、作品の設定や考え方、意図を完全に理解されていました。

ニコ生特番でもそれはしっかりと証明されていて
BEATLESS」の設定、伝えたかったものをしっかりと自分のものにしているその姿は
東山奈央さんのプロとしての真剣に作品に対する接する真面目な姿勢が伝わってきて何だか感動しましたし、
東山奈央さんの大きな魅力の一面を見ることが出来てまた嬉しくなりました。

レイシアのキャストが東山奈央さんで良かったと改めて思えた瞬間でした。



キャラクターを広く見渡すと作品のストーリーの中心には、
特に紫織以外は、あまり関わってこなかった妹3人。

その妹たちのキャストの3人はラジオのパーソナリティとして活躍されましたが
本編中ではちょっとした癒やし担当として妹3人は大事な無くてはならない役割を果たしたと思います。

最終話の放送終了後にユカ役の小野早稀さんが綴ってくれたように
ユカは明るくて家族思いなところが、あの明るい性格に繋がり、
家庭を、作品を明るくしてくれました。

エリカさんだってアニメ本編中では傍観者のような立ち位置で
中心のバトルなどには参加してきませんでしたが
そもそも本人は約100年前に生まれてコールドスリープから目覚めたという強力な設定の持ち主。

エリカ・バロウズ1人だけで1つ作品が作れそうなくらいなので
スピンオフ作品なんてものがあっても面白そうですね。



最近は疲れた人が多いせいか
あまり緻密な設定の作品が少なく好まれにくい傾向にあって
反動で日常系アニメが多くなりやすい時代になっている気がします。

ですが、緻密な設定、近い将来怒るかもしれない近未来SFは
理解すればするほどやっぱり面白いしワクワクします。

TVアニメでの全24話という限られた時間で
近未来SFとしての楽しさをここまで表現出来たのは見事だと思います。

少し間違えるだけで脚本、構成が崩壊しまいかねないだけに
これは本当に難しい作業だったはず。

2クール分のアニメ制作は相当苦労したように見えますが
最後まで作り抜いてくれて良かったです。そして楽しかったです。

やっぱりワクワク出来る作品、
何かを考えさせられる作品というのは良いものですね。


<公式サイト>
TVアニメ「BEATLESS ビートレス」公式サイト

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