盾の勇者の成り上がり 25話「盾の勇者の成り上がり」(最終話)

最終話。

ラルクたちのパーティーとの戦闘、
数の上ではこちらが有利とはいえ戦闘力の高さを考えると
互角に戦えるかも心配なくらいでしたが
クラスアップとレベル上げの効果か、あの強力なラルクの攻撃を受けきっていました。

前回の波のときはタイムアップで逃げ切るしか出来なかったグラスに対しても
瞬時に弱点を見抜いてあと一歩のところまで追い詰める成長っぷり。

世界を守るために戦う意味を考えている間に隙きを見せて
回復こそされてしまいましたが
十分に勝てる状況まで持ち込むとはさすが数々の困難を切り抜けた尚文。

再びタイムアップによりこの戦いはドローになりましたが
次に出会った時は、今度こそどうなることか・・・

やっぱりメルティも加えた4人のパーティーが一番いいですね。

とは言ってられない急な展開も、
メルティがいつも都合よく参加できないだけに
新たなメンバーを探そうとしたところに
弓の勇者に冤罪で捨てられた緑髪のリーシアを拾うことに。

性格故か、弓のパーティーではあまり役立っていなかったようですが
使い方次第では上手くサポート役として活躍してくれそう。


尚文は自分が居なくなったあとの
ラフタリアとフィーロの居場所について考えているという事もあって
大胆にもラフタリアの故郷の領主になる選択をしましたが
その大胆さが逆にラフタリアの不安を煽ってしまったようで
この状態ではしばらくは尚文もこの世界を去れそうにありませんね…





全25話、2クールの放送が終わりました。

昨今、必ずと言っていいほどあるようになった
異世界もの作品の中でも、この作品は当たりと言ってもいいでしょう。

25話という時間を使って物語の始まりから
不遇な扱いから立ち上がり、困難に立ち向かい、
居場所を見つけ、信頼できる仲間と共に次へと進む。

まるでゲーム1本をクリアしたかのような、本を一冊読み終えたかのような、
じっくりと展開するストーリーが描かれていて
1クール作品ではとても表現できないような奥行きのあるアニメになっていたのが印象的です。

それに加えて、どうやら「盾の勇者の成り上がり」は
かなり早く制作が進行していたらしく、
アフレコは放送の1年前にはスタートしていたようです。

アニメーションの制作そのものも
昨今の作品と比べ、ある程度余裕を持って作られていたのか
全25話にも関わらず、初回から最終話まで安定したクオリティを維持しており、
フィーロを中心とした可愛さを表現する細かい動きや
戦闘時の激しい動きも贅沢に序盤から終盤まで表現されていました。

この全25話の時間を有効に使った丁寧で奥行きのあるストーリー、
2クールでも余裕のある制作スケジュールが
この作品の面白さを支えた重要な要素では無いでしょうか。


制作の余裕が垣間見える部分としては
アニメのキービジュアルの豊富さもあるかもしれません。

1クール目、2クール目だけではなく、
カルミラ島へと上陸した残り3話でも新たなキービジュアルを更新。
そしてそれがまた格好いいんです。とても贅沢。


さらにオープニングやエンディングも作品らしさがあって素晴らしく、
MADKIDさんの歌うオープニングの格好良さ、
アニメ本編にも負けないくらいの力強く激しい映像。

ラフタリアの心情を歌うかのような
藤川千愛さんのエンディングの優しさ。

特に後期エンディングの「あたしが隣にいるうちに」の歌詞は
聞けば聞くほど凄い…


キャラクターでは、
最初は不遇な扱いを受け続けた結果、やさぐれたような感じになった尚文も
ラフタリアやフィーロ、メルティなど信頼できる人たちと出会うことで
持ち前の優しさも出てきて、困った人を見捨てず、
助けても決して調子に乗らない。

まさに勇者にふさわしい逸材です。


悲しい過去を持つ、ラフタリア。
だからこそ多くの人に悪者にされた尚文を信じて、大きな力になってくれた。

姿こそ出会った頃から大きく成長しましたが
中身こそあの頃と同じように純粋で、尚文の力になりたいと本気で思っている。

尚文には相手にされていないのがお約束なところですが
まさに嫁、という感じのラフタリアさん。

ラフタリアが悲しい時に尚文はラフタリアを支えてくれて
尚文がピンチの時はラフタリアが駆けつけて支えてくれる。

良い関係性の2人ですね。


フィーロはフィーロ。
卵から巨大な鳥、そして可愛い少女の姿まで変化の幅が大きい事に驚きですが、
どの姿の時でもマスコットとしての存在感は間違いない。

鳥形態の時の走破力、馬車を引くパワー、強力な蹴りを繰り出す身体能力。

少女の姿をしたときの可愛さ、天使さ、愛くるしさ。
それでいて、この姿でも強い。

ラフタリアが少女の姿から成長したのを補完するかのように
小柄で可愛いフィーロは無邪気で元気で、
まさに盾のパーティーの癒やし担当でした。

魔法の糸で作った服も
ふわっとした余裕のある作りで、それが天使さを加速させてくれます。


メルティは参加が遅かったにも関わらず
立派にパーティーの一員としての戦闘力もあり
尚文に対してもヒロインらしい感情を見せてくれる可愛さもありつつ、
次期女王としての意志の強さ、決断力を兼ね備えるのが魅力。

戦闘時には背格好の近いフィーロとの
コンビネーション攻撃は可愛くて強くて印象的ですね。


アニメ以外ではラジオも隔週配信されていて
タイトルは「普通にラジオをお届けしたいラフタリアとフィーロ」

ウェブラジオでは当たり前に使われているBGMも一切無いところからスタートして
"普通のラジオ"を目指す斬新な番組で
パーソナリティを務める瀬戸麻沙美さん、日高里菜さんの仲のいい2人のトークが楽しい番組です。

BGMが無かったり、少なかったりすることでトークがしっかりと聞こえたり
逆に使い所が難しそうな変なBGM、SEが用意されているなど
他のウェブラジオではまず体験できないような
楽しさがあるラジオ、それが「普通にラジオをお届けしたいラフタリアとフィーロ」、「おしたい」です。


その他に変わったところでは、
RPGツクールで作品の内容を再現したゲームを制作、無償配布したことでしょうか

この記事を書いている時点ではまだプレイ出来ていませんが
公式サイトからのダウンロード、もしくはブラウザでプレイすることが出来ます。
こういうアプローチも面白いですね。


最近は2クール作品も少なく、
特にこのようなジャンルでは希少ですが
その2クールの時間を存分に使って他の異世界作品には無いような
じっくりと進む物語、一癖も二癖もある登場キャラの心理描写、
幾度となくぶつかる困難に立ち向かい、世界の謎が少しずつ明らかになっていく。

映像も綺麗で、動きは大胆に、
毎週見ているうちに引き込まれていく、そんな作品でした。

この「盾の勇者の成り上がり」は海外人気も高く、
最終回も続きが気になる展開だっただけに第2期シリーズにも期待してもいいかも知れません。

その時が来た時は、また今回と同じように引き込まれるような
映像と物語の展開に大いに期待したいです。



<公式サイト>
TVアニメ『盾の勇者の成り上がり』

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