SSSS.GRIDMAN 12話「覚醒」(最終話)

いよいよ最終回。


やっぱり六花ちゃんは強い子です。

あれだけグリッドマン同盟には興味がないような雰囲気だったのに
本当は内海以上に大事な場所として認識していた。
それに友達として「設定」されていたとしても最後までアカネの事を信じ続けた。


戦闘では、まさかグリッドナイトに変わったとはいえ
ここまでアンチが重要で頼りになる存在になるとは。

お蔭でアレクシスが前線に自ら出てきてくれて
グリッドマンが真の姿で対峙することになりました。

電光超人グリッドマン」の曲に乗せて戦うグリッドマンでも
簡単には勝たせてくれないところはさすがラスボス、さすがアレクシス。

グリッドマンが全力でぶつかっても、何度必殺技を食らわせても
何度でも復活してくる絶望感。無限の命を持つ最強感。
これこそボスとしてふさわしい能力。

本気のグリッドマンを持ってしても、どうしても勝てない。
もう終わりかと思われた時にみんなの想いを乗せて放たれる、グリッドフィクサービーム。

全てを、アカネちゃんの心を修復するグリッドフィクサービーム。

自分の居場所に帰らなきゃとアカネちゃんが決心した
その時にこれまでの思い出が、シーンとして振り返るところが涙を誘います。


これまでにアカネちゃんがしてしまった事を全て受け止め、包み込み、
消えてしまう最後の瞬間まで一番の友達として隣に居た六花ちゃん。

あの時買っておいたプレゼント、「定期入れ」もやっと渡すことが出来ました。

お互いに気持を理解し合い、最高の友達として
六花ちゃんの隣から消えて、帰ってしまったアカネちゃん。

ここで空気を読んで入っていかない内海、いいヤツじゃないですか。
裕太の姿のグリッドマンから直接手渡されたビー玉を大事にしてくれることでしょう。

アカネちゃんは自分の帰るべき場所に帰ってしまいましたが
その隣には六花ちゃんのプレゼントの「定期入れ」も。

六花ちゃんとアカネちゃん、住む場所は少し離れてしまったけど
2人の絆はこれまでもこれからも変わらない。

良いラストシーンでした。




全12話終わりました。

いや、凄かったです「SSSS.GRIDMAN」。
ここまでの作品になるとは予想できませんでした。


と言うのも、これまでも過去の特撮をアニメとして作った作品というのは
最近でもいくつか存在したのですが
どれも特撮をアニメにしたという雰囲気で特撮ならではの良さがアニメになることで感じられず
そのイメージもあって「グリッドマン」もどうなのかな…とどこかで思ってしまっていました。

ところが、実際に放送が始まってみると全く違う!

アニメとしては構想された「グリッドマンF」の設定をベースにしているらしいのですが
その元となる1993年の「電光超人グリッドマン」の設定を上手く活かしながらも
完全に"現代の作品として"、「SSSS.GRIDMAN」は完成されていました。

それが強く感じられるのがキャラクターデザイン

1993年の特撮「電光超人グリッドマン」はあくまでも子供向けの特撮番組、
ですが「SSSS.GRIDMAN」のキャラクターデザインを見てください。

特に六花ちゃん、アカネちゃんのデザイン。
子供向けとするにはなかなか攻めたデザインになっていて
1993年当時に「電光超人グリッドマン」に夢中になった子供がオトナになって
再び深夜アニメ作品として見た時に、また「グリッドマン」に夢中になれる、
まさにそんなキャラクターデザイン。

一言で言うと、可愛い。

もしも円谷の「電光超人グリッドマン」がベースだからと
地味なキャラデザ、小さな子供もターゲットに考えたキャラデザだったらどうでしょうか?

そうなっていたらここまでも話題作にならなかった可能性すらあると考えます。


かつて子供を夢中にさせた「電光超人グリッドマン」の良さと
過去に縛られずに現代の作品としてオトナにも楽しんでもらうために作られたキャラクターデザイン、
そしてそれを見事に融合させる設定、ストーリー。

それらが破綻せずに繋がることで
「SSSS.GRIDMAN」は凄い作品になりました。


グリッドマンの声には当時の「電光超人グリッドマン」でも声を努めた
緑川光さんを起用したというのも大きいです。

やはりグリッドマングリッドマンですから。



その他のキャラクターについても触れると、
やっぱり六花ちゃんは凄い、素晴らしい!

そのビジュアルの可愛さももちろんですが
他のクラスメイトと一緒に毎日となんとなく楽しく過ごしている女子高生のようで
友達思い、仲間思いなところが強く、全てがとても良い子なんです!

一見興味無さそうな感じをしていながら
全然そうじゃない。誰よりも真剣に物事を考えている。

そんなところを含めて六花ちゃんは可愛いし、美しいし、格好いいんです。


アカネちゃんはある意味ではこの物語の主人公でもあります。

この世界を作り、駄目なところは怪獣で修正して、
普段は普通に女子高生として学校に通っている。

誰にも嫌われないし、誰からも親しまれている。
神様だから。

学校では他の友達の会話に合わせて笑顔だけど
どこか上の空な雰囲気もあって、
裕太にあげたスペシャルドックを潰されただけでも内心では怒って
すぐに怪獣をけしかけてしまう。

表面は可愛く、少し不思議で、冷酷な一面もある。

それがアカネちゃんの怖いところであり、
逆に強く魅力的なところでもあります。

アカネちゃんは怪獣を作り出すことで
グリッドマンの敵に位置することになりましたが
本当の敵はアレクシスなんです。

たとえそう「設定」したとしても
アカネちゃんは六花ちゃんの一番の友達であることには変わりないです。


エンディングではその六花ちゃんとアカネちゃんが学校の校舎内で
何気ない1日だけどその日々を全力で楽しんで過ごしている
まさに青春の1ページのような映像になっているのがとても良かった。

背景は実写の加工なのでしょうか、そのリアルな校舎を背景に、
「youthful beautiful」に乗せて細かく切り替わるカット

特にサビからの六花ちゃんが屋上で机の上に飛び乗ってしゃがみ込むシーン、
そしてその直後のアカネちゃんのソロカットから、2人で隣で笑いあっているところ。最高です!

このエンディング、「youthful beautiful」の歌詞に注目してみても
しっかりと「SSSS.GRIDMAN」を表現していて

「思い出せなくてもきっと僕らの出会いは どこかでつながれていた」

「君につながれた一瞬はこんなにも思い出せるよ 何があっても」

まさに六花とアカネの関係。


もちろんオープニングも良く

立ち上がるグリッドマンから始まり
アシストウェポンの格好いいシーンもありつつも
アカネちゃんが1人暗い廊下に居たり、
最後にグリッドマンから内海に渡されたビー玉や
六花ちゃんからアカネちゃんに贈った定期入れがあったり
格好いいだけじゃなく重要なシーンも多く、
何度見ても楽しめるとてもよく出来た映像になっています。


アニメの放送終了後に期間限定で公開された「ボイスドラマ」では
怪獣との戦いとは少し離れたアニメの延長の日常会話が繰り広げられていて
何気ない会話なのにそれが面白く、その会話がどこか生々しかったり笑えたり、
別の方向から「SSSS.GRIDMAN」の良さを引き出してくれる大きな要素だったと思います。
12話の続きとなる「12.12回」はBlue-ray4巻にのみ収録されます。


六花ちゃんやアカネちゃんだけではなく
裕太も内海も、新世紀中学生の皆さんも、家族やクラスメイトも。もちろんグリッドマンも。
それぞれが個性的で魅力的で誰一人として個性が埋もれてしまうことがなく

1993年の「電光超人グリッドマン」の良さと
「SSSS.GRIDMAN」としての新たな良さを上手く融合させた
設定とストーリーがとても熱くて格好良くて、ヒロインの2人が可愛くて、

「SSSS.GRIDMAN」、歴史に残る素晴らしい作品でした。


<公式サイト>
TVアニメ「SSSS.GRIDMAN」公式サイト

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