SHOW BY ROCK!! track-12「青春はNon-Stop!」(最終話)

ついに最終回。

残り1話という限られた時間でクリクリを取り込んだダークモンスターと
ラスボスのダガーを倒すまで行けるのか不安もありましたが見事にやってくれました。

まずはダークモンスター。
クリクリと取り込んでいるのが発覚したせいでダル太夫さん1人で全て片付ける事は出来ませんでしたが
その代わりに捕まらなかったシュウ☆ゾーのギターで見事に全員救出!ちゃんと見せ場ありました。

捕まったメンバーの救出に成功すればあとはこっちのものです。
開放されてすぐ演奏に入るチュチュたちが格好良く、プラズマジカ全員での「迷宮DESTINY」がすごく合っていました。


クリクリのロージアちゃん達はダークモンスターの時の記憶があまり残っていないようでしたが
さすがに救出後は前の時のような作ったあざとさなどは無く、
素直なロージアちゃんのシアンに対しての素直な感謝とこれまでの事に対する謝罪が見られました。
本当はいい子なんです、ロージアちゃん。ツキノたちも元気そうで何より。


そしてダガー戦では、ラスボスらしく巨大化したダガーはそう簡単にさっきみたいに倒させてくれず
今度はシアン含めて手足が捕まってしまいどうにも出来ない状況だったこともあり、
さすがのシアンもこれまでか…と思われたところでの、キング参上!

伝説のロックギタリストと作中で何度も呼ばれていただけあって、さすがキング、強い!
1人であのダガー相手に引けをとらない力を見せるとは、まさに伝説のスーパーロックギタリスト。


しかしダガーもラスボスということで、ここでやられるわけにもいかずに
もう一度巨大化して第2ラウンド開始です。

キングもこれ以上シアンを巻き込むわけにも行かないと強制的に元の世界に戻そうとして
残されたメンバー全員でダガーに立ち向かう…かと思われたところで
あのシアンがみんなのために、自分の意思でみんなの元に戻ってダガーに挑む場面は最高に格好良かったです。


BGMの「流星ドリームライン」がラストバトルのBGMとしても合っていて熱い展開を演出。
これまでのシアンのイメージとは違う白い衣装に白い翼、そしてギターの弦を引くように放たれる矢でダガーに一撃!
お見事でした。

先週のダル太夫さんからそうでしたが
敵を音楽で倒すものという固定概念がいけないんです、やっぱり最後は物理攻撃が効率的なんです!


見事にだがーを倒したあとのフェスの仕切り直しでは
一番聴き馴染んだ「青春はNon-Stop!」を演奏するプラズマジカのメンバーの幸せそうな笑顔が素敵でした。

その「青春はNon-Stop!」の演奏に乗せてそのまま入ったエンディングは
他作品とは少し違った二段階の構成になっていて、
黒背景にアニメに登場した各バンドメンバーのミューモのシルエットがポップで格好良く、可愛いです。

歌が終わってしまったところから、さらに「青春はNon-Stop!」のピアノインストゥルメンタルが流れる構成は
もう少し長く楽しんでいたいという最終回の余韻を味あうという意味では凄く効果的で最高の演出だったと思います。
ゲームや映画等では見かける形ですがTVアニメでは珍しいような気がします。


最後は1話では踏み出せなかったシアンが元の世界でも勇気を出して一歩進むシアン、
シアンもプラズマジカを経験して大きく成長しました!
部室に居た部員も何やら気になりますがはっきりとは映されず。
でもシアンなら上手くやっていけそうです。

そして、チュチュに貰った4つ合わせるとプラズマジカのロゴになるお揃いのギターピックが
あのプラズマジカでの思い出が夢じゃなかったことを証明しています。

またいつかMIDICITYでプラズマジカのみんなと楽しく演奏できると良いですね。




全12話終わりました。
一言で言うと全話通して見事な作品だったと思います。

サンリオが男性ファンなど従来のファンとは違うファン層を獲得するために
アプリゲームをベースとして深夜アニメを放送するという積極的なメディア展開という
他のアニメ化作品とは違う雰囲気を放送前から持っていて
いったいどんなアニメになるのかと楽しみにしていたのですが
実際に見てみると想像をさらに超えて凄いアニメに仕上がっていました。

まず第1話で驚かされたのが3DCG(以下、CG)です。
最近ではアニメでCGを使うことは珍しくなく、
クルマなどメカから最近ではフルCGでのアニメ作品というものも幾つか出てきましたが
この「SHOW BY ROCK!!」では等身の低いミューモやその周りの背景に集中してCG化。
その結果、CG以外の部分とのズレから感じる違和感なく自然と作品に入り込むことが出来ました。

そして何と言ってもそのCGのクオリティの高さです。
非常に精巧で、細かいところまでしっかりと作りこまれていて動きも細かくてリアル。
ここまで作りこまれたCGはピクサー作品くらいでしか見かけない、まさに映画クオリティのCGでした。

本編中やエンディングなど演奏シーンでは省略して楽をしたくなるところですが
そこでもしっかりとCGでも指の一本一本が適切に動いてちゃんと演奏しているのには感動すら覚えます。
デフォルメ化されたミューモなのに表情があって、ちょっとした仕草や動きも楽しいです。


CG以外の部分では、原作となるアプリゲーム版と共通の特徴ですが
やはり音楽がハイクオリティだというのがこの作品最大のポイントの1つではないでしょうか。

アニメで使われた楽曲は、プラズマジカが5曲。
シンガンクリムゾンズが2曲。トライクロニカが1曲。クリティクリスタが1曲。
CDで言ってもプラズマジカが3枚、他もそれぞれ1枚ずつリリースと積極的に展開した楽曲は
どの曲もとてもクオリティが高く、名曲揃いと言ってもいいと思います。

SHOW BY ROCK!!」ではそれぞれのバンドに別のプロデューサーが付いているのですが、
それによってバンドが変わると曲の雰囲気も全く違うものになるという特徴がしっかり表れていました。
王道のプラズマジカ、アイドルのような可愛さを重視したクリティクリスタなど。バンドによってそれぞれの楽しみ方があります。


キャラクターについては、どのキャラも特徴的で楽しいのが特徴ですね。

当ブログでは基本的にヒロインを中心に取り上げるので
結果として男性キャラはスルー気味になりがちなのですが、この「SHOW BY ROCK!!」に限っては違います!

シンガンクリムゾンズはいつもは中二病的にバカなことを言い合ってるのに
いざというときは熱く、さすが社会人!なロムやメインボーカルのクロウを中心に団結する姿は
どんな状況でも場を盛り上げる楽しくて万能なバンドでした。

それに対するトライクロニカはシュウ☆ゾーをトップとした3人編成で
シンガンクリムゾンズとは真逆といえる特徴を持っています。

「徒然なる操り霧幻庵」は極東音楽をテーマにしたバンドだけに
楽器からして他のバンドとは違う雰囲気になっていますが
阿と吽を引っ張るダル太夫さんが個性的で謎が多くて色々と気になる部分も多いです。
特に11話の予想を超えた合体ロボのような演出のダルマ姿には驚かされました。

ちなみにダル太夫さんはあの堂々とした雰囲気を持ちながら
アニメでのメイン5バンドのキャラクターの中では身長が一番小さかったりします。

「クリティクリスタ」は、まさにアイドル!JCアイドル!
可愛さを勢いを全面に見ているだけで楽しくなってくるようなバンドです。
「あざと学」主席という経歴を持つロージアちゃんはそのあざとさを武器としてメンバーを引っ張っているようで、
実はロージアちゃんの性格をちゃんと理解してツキノホルミージャクリンがロージアちゃんを支えているような
そんな仲の良さも伺えるところが良いですね。
クリクリのメンバーは全員、聖MIDI女学園中等部の生徒会なので学校でのシーンなども見てみたかったです。

そしてメインの「プラズマジカ」。
シアンの加入によって4人メンバーとなったプラズマジカ
クリクリのような若さの勢いとはまた違って、皆でじっくり考えてバンドを作り上げているようなそんな雰囲気が良いです。
どうすればもっと良いものが作れるのか考えて、アニメでも一歩一歩成長していく姿が見どころの1つでもあります。

積極的になれない性格だったのにこっちの世界に来てから大きく成長したシアン。
いつも他のメンバーみんなの事を想っているところを含めて、いざというときは強く、主人公らしい性格です。
キャストの稲川さんの演技も素晴らしく、シアンらしい感情を込めたセリフも見事に演じられていて
これからもきっと色んな作品で声を耳にするはずなので今から更なる活躍が楽しみです。

そんなシアンが好き過ぎるレトリー
特に序盤では大丈夫かと思ってしまう怪しい行動や言動が目立ちましたが
どうにか最後まで取り返しの付かない事をすることなく走り抜けました。
クリクリとの対バン時に目の前でシアンにロージアちゃんが抱きついた時は何かやらかすのではないかと冷や冷やしました。

チュチュプラズマジカをまとめるリーダー的、お姉さん的な存在。
バンドのことを真剣に考えているがゆえにやり過ぎてしまうシーンも何度かありましたが
チュチュが居なければプラズマジカは成立しない大事な存在です。

モアは宇宙から来た謎の存在ながら最後までその詳細が明かされず
謎のままで終わった謎のドラム担当。
そして語尾には謎の〜ぴゅるを付けますが誰もそこには突っ込まず当たり前の光景に。
ダークモンスターなどアニメの本筋の謎とは関係無さそうなために謎のままでも支障はないのですが
あまりにも謎が多いので正体が気になるところでもあります、ぴゅる。


その他の部分では、この作品は本当に無駄がない、というか
全てしっかり計算されてデザインしているように見えるところが凄いと思います。

オープニング映像の画面の切り替えや演出、キャラクターの動き。
同じくエンディングでのキャラクターの細かい動き、バンドらしいポップなエフェクト。

さらには、サブタイトル画面のデザインも作品の雰囲気をしっかり捉えていて良いと思います。

深夜アニメを大量に見ていますが、ここまで全てのデザインがしっかりハマっていて
見ていて気持ちがいい作品はそう多くはないので「SHOW BY ROCK!!」は見ていてストレスを感じる部分が全くなくて気持ちよかったです。


アニメ本編以外では、最近の深夜アニメでは定番とも言えるウェブラジオとニコ生配信をこの作品でも展開していますが
その中での稲川さんの程よい仕切りや勢いが非常に楽しいです。
その回によって共演するゲストの顔ぶれが変わるのですが、
それでも稲川さんはしっかりと自分らしさを持っていて自称ポンコツな事もやらかしつつも安心して見られるのは本人の魅力ですね。
先程も言いましたがこれからもっと活躍されるのが楽しみです。


このように、悪いところを見つけるのが大変なくらい、
あえて言うなら最終話のバトルが少し急ぎ気味だったくらいで、全ての構成、デザインの調和が見事で
作品を盛り上げる音楽のクオリティが高く、この「SHOW BY ROCK!!」という作品、見事に期待を上回る作品でした。

そのクオリティの高い音楽の効果もあり
キャラクターが可愛いんだけど演奏すると格好いい、
キャラクターが面白いんだけど演奏すると格好いい!という
贅沢で充実感のある楽しみ方が出来るのが「SHOW BY ROCK!!」最大の魅力の1つだと思います。


自分が見ている範囲では、第1話の放送時から最終話まで視聴者の反応も良好だったころから
挑戦し続けるサンリオさんにはぜひとも、ぜひとも! 第2期シリーズを作っていただきたいです。

きっと2期が来ても他に負けないくらい楽しい作品を作ってくれるに違いないです。





<公式サイト>
TVアニメ「SHOW BY ROCK!!」

<関連エントリ>
[SHOW BY ROCK!!] - 深夜アニメ実況の果て