ハイスクール・フリート 12話「ラストバトルでピンチ!」(最終話)+ 感想と考察など

武蔵さんがあと20分で湾内に入ってこられるくらいの
まさにサブタイ通りのピンチ状態の最終話。

本来ならブルマーさんが食い止めてくれるものなのですが
どうやら間に合わないようなので武蔵の相手は一番近い晴風に。

とは言っても武蔵と晴風じゃ速力はこっちの方が早いけど
艦の大きさはもちろん火力や装甲の厚さも桁違いだし主砲が命中したら終わりのかなりリスクの高い作戦でしたが
ここでもやはり、恐らく役立ったであろう艦長・ミケちゃんの幸運属性。

これがもしシロちゃんだったら射撃指揮所が被弾した時のように
今度は晴風に何が起こっていたか・・・


作戦の目的は時間稼ぎ。攻撃は一度だけして反復攻撃はせずに離脱するようにとの指示でしたが
メイちゃんとタマちゃんのテンション上がる夢の一斉射!も武蔵には大きな損傷を与えることもできず
逆に晴風の損傷がかつてないレベルにまで。
艦の心臓部とも言える機関室にまでの浸水はかなり深刻な事態です。

さすがのミケちゃんの幸運スキル効果もここまでか…と離艦命令を出しかけたところでの応援到着!
特に一度は別れたシュペーの登場はなかなか熱い。

艦長のテアの借りは返すとのセリフが
見た目はちっちゃいのに格好良く見えました。

シュペー以外にも多くの艦が駆けつけたことで
ここに来てようやく作品のタイトルである「ハイスクール・フリート」、つまり艦隊での作戦を見ることが出来ました。


こんな事もあろうかと明石の本給で積んでおいてくれた発煙弾による煙幕から
効かなくなった舵の代わりにパラシュートを使って
抵抗を利用した強引な晴風の進路変更により武蔵にぶつけた事には驚きましたが
ここまでの話で培ってきた晴風メンバーのチームワークとミケちゃんの判断力による勝利です。

特にメイちゃんとタマちゃんのコンビは最後まで完璧でした。


艦橋で少し迷っていたミケちゃんに行っておいでと送り出すシロちゃんと
1話以来の再会となるモカちゃん、この3人の関係性も色々と想像できて面白いものがあります。


本当なら2週間程度で終わっていたはずの海洋実習、
1ヶ月ぶりの陸地に1ヶ月前よりも仲良くなった晴風のメンバーが、
各々様々な表情で降りてくる様子は感慨深いものさえあります。

でもまさか無茶な作戦をして損傷が大きかったとはいえ
最後の最後で晴風が沈んでしまうような展開になるとは・・・。

次なる作品展開への希望を繋ぐためにも晴風にはもう少し頑張って欲しいのですが
ミケちゃん達の敬礼の通り、ここは、ありがとう、お疲れ様。という事なのでしょう。

もしも次に海洋実習に出るときは
この同じメンバーで、この晴風と同じ陽炎型の艦で再び港から出ていく事を楽しみにしています。

今度は艦の運用もチームワークも完璧なので集合時間に遅刻することはないはずです!





全12話終わりました。

以前からも存在はしていましたが
特にここ数年でミリタリー系の題材を取り扱ったアニメ作品が増えていて
ハイスクール・フリートもその流れの1つと考えられます。

それらの流れの中でも大きな艦を大勢の生徒で動かすというのは
これまでありそうで意外とありませんでした。


作品タイトルについては、アニメでは第1話のみはいふりとし、
第2話以降はハイスクール・フリートへと変更されました。
これは後述する世界観などが明らかになるサプライズ演出の一部なのですが
自動録画に設定している場合、レコーダーが上手く録画してくれなかったという報告もあったようで
それはそれで災難でした・・・。


登場キャラクターが多すぎるという意見も一部ではあったようですが
本当にこの規模の艦を動かすならもっと人数が必要なわけで
これでも実は少ないくらいだったりします。

第1話では『ある程度自動化されている』といったセリフもありました。

ただキャラクターの名前を覚えるのが大変だったことも事実です。
各キャラについている個性的なニックネームが無ければもっと覚えるのが大変だったかも。



はいふり」の世界観、設定

世界観、設定については
第1話の最後のシーンから明らかになってきましたが
地盤異常により陸地が多く水没しており、それにより海に関わる教育に力が入っている。
さらには第二次世界大戦は発生しておらず
航空機が開発されていないという部分もストーリー上のポイントになっています。

基本的な設定は第2話で多く語られており
地盤沈下の原因が日露戦争後のメタンハイドレート開発によるものであることや
さらにはブルーマーメイドが作られた理由などもここで語られています。
水素やヘリウムを使わない航空機の話も本編では第2話で触れられています。



はいふり」の登場キャラクターの魅力

ハイスクール・フリート」の魅力の1つが個性豊かな登場キャラだと思います。

セリフは序盤は特に艦橋メンバーとマロンちゃんを中心とした機関科が多く
航海科の一部など発言が全く無いに等しいキャラクターも多かったのですが、
中盤以降はどのキャラも少しずつセリフが増えてきました。

艦橋メンバー以外でもどのキャラも魅力的で
楽しい子たちばかりなのが「はいふり」らしくて良いですね!

シロちゃんにあこがれているクロちゃん
よく背景を見ていると一緒に居ることが多い航海科のめぐちゃんつぐちゃん
幼なじみのマロンちゃんクロちゃん、左舷と右舷の航海管制員コンビのしゅうちゃんまゆちゃんなど
もう一度よく見てみるとココちゃんミーちゃんのようなメイン以外にも
あまり語られていないキャラクター同士の個別の関係性も見えてきて面白いです。


また全体を通して、ストーリーが進むに連れて
晴風メンバーの団結力が上がってくるところや成長を感じられるところも
ハイスクール・フリート」の見どころの1つとなっています。

最も分かりやすいキャラの1人が鈴ちゃん
最初はとにかく逃げることを考えて、逃げ足だけは早いのが全面的に表れていたのですが
ミケちゃんと関わることで、特に5話(真面目系クズ)をきっかけに逃げるだけではなく敵に向かっていく勇気を見せるシーンが多くなりました。
第6話では機雷掃海時に出ていたスキッパーが爆発して危険な現場に
率先して自分から行くと手を挙げるほどの成長を見せました。

りっちゃんかよちゃんも機雷掃海任務で爆発に巻き込まれた際に
不安でパニック状態だったところをミケちゃんがすぐに助けに来てくれた事を1つのきっかけに信頼度が大幅に上がりました。

タマちゃんメイちゃんの名コンビも良かったですね。
砲術長と水雷長として艦橋にいる2人はいつでも仲が良くて
第4話にて漂流物から侵入したRATtの影響で暴走し、
救援のために接近してきた明石や間宮に対して発砲してしまい
拘束(トイレットペーパーの整理)された時や、
さらにはその件に関する調書の時にもにも1人メイちゃんタマちゃんに付き合ってあげたり、
最終話での大活躍シーンなど2人は最初から最後までずっと仲良しでした。

最後までミケちゃんとの距離感があったように思うクロちゃんに対しては
赤道祭の回で完全に打ち解けたように思います。

赤道祭の回はそれだけではなく
晴風のメンバー全員が完全に一緒に笑い合えるような「家族」になれたと
見ていても確信させられる最終話の戦闘に向けての重要な回でした。


その赤道祭でも大きな役割を果たした、いや、むしろメインだったのがマロンちゃん
全話通して晴風が困難に直面した時だったり、少し空気が悪くなった時でも
持ち前の勢いと気前の良さで状況を打開してくれたり
艦長のミケちゃんが困ったときに何度も助けてくれた晴風には無くてはならないキャラクターです。
第6話で海中に落下したミケちゃんが機関科の時間に入浴しようとして
クロちゃんと揉めそうになっていた時に助けてくれた時は少し感動すらしました。


艦長ミケちゃんの成長とモカちゃん

艦長、ミケちゃんの成長や変化も「ハイスクール・フリート」の見所で
他の登場キャラに負けないくらいミケちゃんも初期から大きく成長したと思います。

ミケちゃんにとってモカちゃん「大切な親友」であり
嵐による海難事故によって両親を失ってしまったミケちゃんから見ると「家族」同然で、もう失いたくない存在。

第1話の2人のやり取りを見ただけでも普通の親友以上のものが感じられますし、
それだけではなく晴風の艦長室や持ち歩いている懐中時計に2人で写った写真を飾っていたり
2人の仲の良さは普通の親友とはまた違う特別なものなのです。

それ故に戦闘時に晴風の艦橋から飛び出して
シロちゃんの静止を振りきってスキッパーで1人出て行くシーンも何度かありました。

しかし回を重ねていくうちに晴風のメンバーを家族として
モカちゃんと同じように大事に、そして慎重に行動出来るようになりました。

ミケちゃんは艦長としてはまだまだ未熟です。

それはまだ入学したばかりの学生というのもありますし
本人も『艦長の仕事は受験勉強でやっただけ』(第1話)とか
『艦長になれるほどの成績ではなかった』(第1話)などと艦長としての未熟さや適正を自覚しています。
第2話でも1人悩むシーンがありました。

つまりミケちゃんの咄嗟の行動や未熟さはある意味当然であり
そこの成長を感じられるところが「ハイスクール・フリート」という作品の見所であると考えます。

もちろん艦長としての知識、技術は本当はシロちゃんの方が高いと思われますが
ミケちゃんにはそれ以上に持ち前の明るさで皆を引っ張っていく力があると思います。


はいふり」の自然にみえるもの

ハイスクール・フリート」と言えば海の上、ということで
期待通りに水着回、水着シーンも複数あったのは素晴らしいです。
簡単に確認しただけでも1話、4話、5話、さらに水不足になった7話など。

さらに海に落ちたり、水鉄砲の水を当てられたら当然、透けます。
洋上で生活をしているならもちろん入浴も必要になってきますし。

これらはどれも自然かつ当たり前のシーンで
そうならない方が不自然です。
制服が風になびいて背中やお腹が見えるのも自然で当たり前なのです。

自然なサービスシーン、ありがとうございます。
7話でのミケちゃんのセーラースク水姿ありがとうございます!



はいふり」とリアル

そしてこの手のリアル要素も取り入れた作品の中でも
制作側の力の入ったものでは最近では時々見かけるように
この「ハイスクール・フリート」でも
作中に出てくる艦などのモデルになった実物の護衛艦の取材もしていることが明らかになっています。

この「ハイスクール・フリート」の場合は、「晴風」の機関音を収録するために、
蒸気タービン機関を搭載する海上自衛隊護衛艦「くらま」の取材をしたことが公式サイトでもレポート記事として公開されています。

その「くらま」の取材時には他に笛やラッパの音
第1話の遅刻の謝罪時に使われた手旗信号についても取材されたそうです。

6話の放送後に公開された別のレポートでは
作中で行われる機雷掃海についてに三重県まで掃海艇「いずしま」の取材に行ったことが明らかにされました。

この時は実際に海に出て機雷掃海訓練の見学もされたようで
機雷の種類、起爆方法などしっかり勉強されたみたいです。

フィクションの要素も多く含まれているとはいえ
細かい部分へのツッコミはどうしても一部から聞こえてくるものなので、こういった取材は大事ですね。



はいふり」のウェブ予告

このアニメ「ハイスクール・フリート」では
最近のアニメでは珍しくなくなった予告を後日ウェブで公開する形式をとっています。

そしてこの「ハイスクール・フリート」はウェブで公開された予告でのサブタイと
実際に放送されたサブタイが実は違っていたりします。


第2話「シロちゃんつまずいてお皿をひっくり返す(仮)」
第3話「オールでパーティー(仮)」
第4話「タイムセールはお買い得(仮)」
第5話「水着で撃っちゃえ水鉄砲(仮)」
第6話「お風呂でほっこり命の洗濯(仮)」
第7話「ラムネを飲んですっきり爽快(仮)」
第8話「クルージングは楽しいな(仮)」
第9話「ネコの底力(仮)」
第10話「晴風お笑い王者決定戦(仮)」
第11話「強いぞ!ニュー晴風(仮)」
第12話「ラストバトルでピンチ!」


実際に放送時に使われたサブタイトルは第10話の赤道祭の回を除き
全てに「〜ピンチ!」で統一されているのに大して
ウェブ予告版ではすごく平和的で、でも全くの嘘ではないサブタイトルが並んでいます。
こちらでは唯一、第12話のみ
真面目に予告をしていて、本当にサブタイトルが使われています。



はいふり」の「公式あぷり」

他の作品ではあまり見られないもので
アニメ以外の部分で評価が高かったのが「はいふり公式あぷり」です!

iOSAndroid向けに配信されているこのアプリでは、
公式サイトに掲載されているストーリーやグッズ、オンエア時間など基本的な情報が閲覧できるのはもちろん、
特徴的な機能として「はいふり手帳」と「はいふりカメラ」というものが実装されています。

はいふり手帳」は、イベントや関連雑誌、アニメの各話放送後、
さらには公式ツイッターのフォロワーが一定数に達した時など様々な場所で発表される「あいことば」をアプリに入力すると
ミーちゃんを含む晴風の全てのメンバーの情報「ひみつ」がアンロックされて閲覧できる機能となっています。

晴風だけでも登場キャラクターが多く、1キャラにつき「2つ」の「ひみつ」があるので
アニメ放送終了時点ではまだ全ての「あいことば」が公開されていないのですが
どれもなかなか面白い情報が揃っていたりします。

例えばミケちゃんだと、アニメ本編にてミーちゃんの歓迎回だったり、
水不足の回で服を脱ぐのに手間取っているシーンがありましたが、
実はこれは、「服を前後反対に着たりソックスを裏返しで履いたり、服を脱いだり着たりするのが苦手」という設定がある、
…という情報を確認することが出来ます。

この各キャラに関する情報「ひみつ」を知っていると
アニメを見るときによりいっそう楽しく見られるのは間違いないです。

もう一つの注目機能「はいふりカメラ」は、
読んでそのまま「はいふり」のカメラ機能なのですが
五十六を含む登場キャラの「フレーム」を使った写真撮影が出来ます。

「フレーム」はアプリ公開後にも何度か追加されており
この記事の編集時点では全部で、多くのキャラが楽しめる「ノーマルフレーム」が77個。
少し変わったものも用意されている「スペシャルフレーム」が38個。合計で115フレームも用意されています。多い!

これを使って写真撮影してみると結構楽しいので
さらなるフレームの追加にも期待したいところです。



はいふり」の見せたいところ、もっと見たいところ。

制作側は「ハイスクール・フリート」で見せたいポイントとして

・小さな艦が大きな艦を打ち破っていくところ
・旧式の艦の魅力的に描く
・キャラクターの魅力

といった部分をあげています。

全12話でこれらが全て描かれたかといえば
それはまだまだ足りないと思います。

晴風の戦闘も様々シチュエーションで楽しませてもらいましたし
最終話での武蔵との戦闘は熱いものがありました。

でもこれで満足したかと言われれば全く足りない、まだまだ見たいです。
せっかくの艦なのですからもっと色んな戦闘も描けるはず。

キャラクターの魅力も、たくさん見せてもらいましたが
この数の、個別のキャラの魅力を引き出せかというと、まだまだです。

そのためには話数が圧倒的に足りないのは明らかなので
1クールの短い時間では十分に頑張った方だともいえますが
やっぱりこれだけ魅力的なキャラクターが揃っているのですから
もっと晴風のみんなの新たな顔も見てみたくなるものです。

そのためにも是非とも何かしらの形で続きのストーリーが見てみたい。
見られることを大いに期待しております。

明日に向かって、ヨーソロー!






<公式サイト>
TVアニメ「ハイスクール・フリート」公式サイト

<関連エントリ>
[ハイスクール・フリート] - 深夜アニメ実況の果て



※この記事はアニメ本編の最終回放送直後に書いたものです。