刀使ノ巫女 24話「結びの巫女」(最終話)

タギツヒメを封じるために
あの時の母親と同じように今度は可奈美と姫和が
タギツヒメをともに隠世へと進む

そこでは可奈美と姫和の母親に出会うことになりますが
意外にもあっさりと現世への帰り方を教えてもらった事もあり、
結果としては可奈美、そして特に姫和は
記憶の中でしか無かった母親と会話をして
もう一度思い出を作ることが出来たので良かったのではないでしょうか。


姫和ちゃんが紫様に突然斬りかかってから1年、
すっかり桜の季節になってしまいましたが
可奈美たちにとってこの1年間は色んな事がありすぎました。

1年で失ったものも大きいけど、得たものも大きい。

可奈美との開くばかりの力の差を実感していた沙耶香ちゃんは
可奈美たちが居なくなっている間も頑張って成長して、薫と共に親衛隊に入るまでになりました。

道を外れそうになっていた歩ちゃんも復帰に向けて頑張って、
今度はまっすぐに自分の力で真剣勝負で可奈美と対戦する日も近いはず。

最後の最後にあるはずのカット、
可奈美ちゃんと姫和ちゃんが帰ってきてみんなと再会するシーンがありませんでした。

可奈美ちゃんの顔を見た時に、舞衣ちゃんは、沙耶香ちゃんは
一体どんな表情をしたのでしょうか。

笑顔かもしれないし涙を流して喜んでくれたかも。

見てみたかったけど、それを含めて
今後の「刀使ノ巫女」の展開として期待してみたいですね。




全24話、2クールが終わりました。

1クール目は、紫様に取り憑いた荒魂を討つために
1人でその時を伺い斬りかかった姫和ちゃんと
紫様と親衛隊に阻まれて上手く行かなかった姫和ちゃんと一緒に逃げてくれた可奈美ちゃんから始まる物語。

追手から逃げながらも
いかにして荒魂となった紫様を討とうかと2人で考えていく中で
荒魂とは何か、本当の敵とは何かが見えてきました。

最初は2人だったメンバーも少しずつ増えてきて
薫とエレン、舞衣ちゃんと沙耶香ちゃんと次第に賑やかになっていきました。

2クール目では、紫様から分離した荒魂、タギツヒメを討つために
紫様を含めて総力戦で試行錯誤し、かつて無い強敵に立ち向かっていきました。


可奈美ちゃんは最初から最後まで剣術が好きで、
刀に真剣で、真っ直ぐでブレない主人公でした。

自分の信じることには誰に何を言われようと突き進む強い心で、
他の皆には理解されなかった姫和ちゃんの行動にも唯一理解を示し、共に行動しました。

常に前を向いて、先を見て、技術を高めて仲間を信じる。
主人公としては理想的だし、やっぱり可奈美ちゃんは格好いい!


姫和ちゃんは1人で抱えてしまいがち、
だからこそ可奈美ちゃんのようなタイプの子と相性がよく、
いい方向へと導いてあげると力を発揮出来る。

一見硬そうな性格に見えるけど
実はチョコミントが好き過ぎるなどお茶目な一面も。

例えそれが紫様であっても
チョコミントについては一歩も譲ることはありませんでした。


舞衣ちゃんは美濃関では可奈美ちゃんに次ぐ実力がありながらも
クッキー作りが得意だったりお姉さん的なポジション

単独でも本当は相当強いですが
その性格から司令塔としての役割を与えられることが多かったです。

メインメンバーの中でも随一の見ていて安心させてくれる存在。
舞衣ちゃんを信じていれば間違いない!


沙耶香ちゃんは最初はあまり本人の意思というものが薄く感じられなかったのですが
可奈美と出会うことで大きく成長しました。

天才と呼ばれ実力もありますが
さらに上を行き圧倒的な強さで太刀打ち出来なかった可奈美とぶつかる経験は
彼女にとって人生が変わるほどの衝撃だったのでしょう。

同時に舞衣ちゃんと出会うことで
沙耶香ちゃんの言われるがままの性格も一気に変わることになりました。

2クール目の始まりでは可奈美との埋まることのない力の差を認識して
少し気持ちが落ちているようにもみえましたが
その後も努力を重ね、親衛隊に入るまでに成長しました。


薫は普段は手を抜きたいと省エネタイプのキャラでありながら
先輩としての責任感はあって、結局やることはしっかりやる良い先輩。

繊細な技術を要する剣術使いが多い中
巨大な祢々切丸から繰り出されるダイナミックな一撃は唯一無二。

常に荒魂である「ねね」と共に行動し
敵としてではない荒魂のあり方と共存する方法を示してくれました。


薫のパートナーであるエレンはタイ捨流の使い手。
刀だけではなくスタイルの良い長い足からの繰り出す不意をつく蹴りは美しい。

敵を探るために捕まったフリをして潜入任務を単独でこなすなど頭脳派、
それに何と言ってもパパ想いの優しい子です。



アニメ「刀使ノ巫女」で一番の衝撃だったシーンは
やはり1クール目終盤の結芽でしょうか。

生い立ちから不幸だった彼女は
力を得るためではなく命を繋ぐために荒魂を使用。

戦うときも決して荒魂に頼ろうとはせず
自らの天才的な力を持って刀を振るっていました。

そんな何も悪くない彼女が、これからもっと幸せになるべきだった彼女が
戦いの末に絶命してしまうなんて

確かにその可能性は考えましたが
まさかメインのキャラクターの一員のように描かれていた結芽が
このような形で倒れてしまうなんて可哀想すぎます。

さらに2クール目の終盤では夜見も絶命してしまうなど
最終的に4人の親衛隊のうち半分を失う結果に

隠世に魂が残されていて、最後に何とか復活してくれるんじゃないかと僅かな希望を持って見ていたのですが
最終回を見る限りそれもなかなか難しそうでした。

しかし、「もうひとつの可能性」という希望があります。

アニメと同時展開するクロスメディア作品である「刀使ノ巫女」の
スマートフォン向けゲーム「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火(とじとも)」では
アニメのストーリーに沿うサイドストーリーという形でメインストーリーが進行していくのですが
先日発表された第二部では「もうひとつの可能性」というキーワードが示されました。

あの時、結芽ちゃんが助かっていたらどうなっていたのだろう。
そんなifの世界に分岐する「刀使ノ巫女」が見られるかも知れません。


そんなゲーム「とじとも」は、先程も書いたようにアニメと同時展開するクロスメディア作品に含まれています。
なので実はアニメ1話には「とじとも」の主人公である美炎ちゃんが登場していたり
中盤でも名簿に「とじとも」に登場するキャラクターの名前が隠れていたり、
さらには最終話では美炎ちゃんだけではなく他の「とじとも」の主要なキャラクターが勢揃いしていたりと
よく探してみると楽しめる要素もアニメ本編中にはありました。


様々な設定がある「刀使ノ巫女」。
専門用語もいくつか登場することからアニメを見ているだけでは理解できないまま進行してしまうこともありますが
それをフォローするためにアニメ公式サイトには「用語集」を用意するだけにとどまらず
進行するストーリーに応じたキャラクター相関図(ネタバレ警告付き)まで用意。
アニメ開始直後には公式ツイッターでも疑問を募集して解説をしていました。

ここまで丁寧に視聴者をケアする作品は非常に稀で
それだけに「刀使ノ巫女」に力が入っていることも伺えます。


さらにこの「刀使ノ巫女」の特徴的な部分としてイベントが挙げられます。

最近では珍しくなくなった「先行上映会」だけではなく
「刀使祭 一の太刀」「刀使祭 二の太刀」といったタイトルで1月、2月、3月と毎月イベントを開催。

この「刀使祭」は4月に開催された「刀使祭 四の太刀」に続き
アニメ最終回の直後の6月24日には「刀使祭 真の太刀」が開催されます。

その他にも「AnimeJapan2018」でもイベントを開催するなど
2クール作品だとしてもそれ以上にイベントにかなり力を入れていました。


アニメの話に戻ると、
アニメ「刀使ノ巫女」最大の特徴の一つと言えるのが、剣術の再現です。

可奈美の柳生新陰流や、姫和の鹿島新當流、紫様の二天一流など
それぞれのキャラクターが実際に存在する流派を使っているだけに
アニメ本編中の立ち振舞、構えなど専門家の監修を受けて再現されています。

作品の設定に合わせて若干のアレンジはあるようですが、
居合のような一撃を繰り出す舞衣ちゃんのようにそれぞれの動きや構えが違っていて
それを見るだけでもすごく楽しめます。

さらに1対1で戦う時、1対多で戦う時も
しっかり状況に応じた戦術が考えられていて
どんな動きをしているのかも注目してみるとその作りの細かさに驚かされます。


そして個人的にこれだけは外せないのが制服の可愛さです。

セーラーっぽさもありつつも和風の感じがあり
襟とスカートの赤が美しい美濃関学園の制服は特に素晴らしく
よく見るとスカートにも大胆なデザインが施されていて、すごく可愛いんです!

姫和ちゃんの平常学館はワンピースタイプながらも
深い緑色で包まれていて少しレトロ感もあります。

沙耶香ちゃんの所属する鎌府女学院の制服もセーラー風ですが
落ち着いた青系が入っていて引き締まって格好良さもあります。

対する長船女学園はブレーザー風の制服で
エレンと薫が並ぶと同じ制服なのかと疑うくらいの隠しきれない"差"を感じますが
他の学校より今風なデザインを取り入れた制服はおしゃれで可愛いです。

どれも、しずまよしのりさんキャラデザらしい可愛さが詰まっていますね。


2クール作品は上手くまとめられる作品が少ないですが
この「刀使ノ巫女」は前後編と上手くわけで、最終的に綺麗にまとめていたと思います。

刀を持つ少女たちの格好良さと可愛さ、そして美しさ。
熱い展開も面白い展開もあって、先の読めないオリジナル作品ということもあって
放送スタートしてから毎週楽しみに、そして楽しく視聴していました。

半年という期間それを続けていたので
これでアニメが終わってしまうと考えると寂しいですが
アプリを楽しみつつ、いつかまた元気な可奈美たちの続きの物語が見てみたいものです。




・公式サイト
 オリジナルアニメーション「刀使ノ巫女」公式サイト

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 [刀使ノ巫女] - 深夜アニメ実況の果て