結城友奈は勇者である 12話「貴方に微笑む」(最終話)

神樹を潰すために大型のバーテックスを招き入れて引き返せない状況でも
美森さんが聞き入れてくれたのは美森さんの友奈に対する愛ですね。

すでに何度も満開を使い、先週の夏凛ちゃんを見ると余計に後遺症の影響が怖いのに
それでも、それぞれがこのバーテックスを止めるために惜しみない満開をする様子は恐怖しか無いです。
あの夏凛ちゃんまでもが再び満開で駆けつけて今度はどうなってしまうのか考えたくなかったくらい。

勇者部のムードメーカーだけど誰よりも責任感と正義感の強い友奈の渾身の一撃、
それを最後の最後でギリギリ決めるのはやっぱり主人公ですね、勇者です。

神樹様は何を思ったのか何か状況が変わったのか供物を求めなくなり、
この絶望の状況からようやく…やっと!光が見えてほっとしたと同時に、
世界を取り巻く状況は何も変わっておらず、一歩外に出ると地獄が広がっているだけに
またすぐに奴らが攻めてきて絶望に引きずり込まれるのではないかと言う恐怖感もあります。

それでもあの後遺症が回復してくれて本当に救われました。
ちゃんも夢に向かって再び歩きはじめたようですし、
美森さんは友奈の隣で一緒に歩けるまでになりましたし。
そして、それ以上にボロボロになりながらもずっと戦い続けてきた園子も立ち上がれるように。

これまで何度も見てきたエンディングも
変わらない夏凛歩きと、全員で楽しそうに並んで歩くように変わった風景とを
改めて見ると感慨深いものがあります。

勇者としても今は変身できないようですが
後遺症も今言ったようによくなりましたし、皆に幸せが戻ってきて本当に良かったです。


これにて「結城友奈の章」が終わり。
この次はどうなってしまうのかと気になりますが、一旦は終わりです。





このラストには様々な意見が出そうですが
絶望的な状況で永遠に戦い続けるとなるとそれこそ某マギカ作品になってしまいますし
物語はやっぱり少しでもハッピーエンドに近い方が良いと思っています。
一見友奈たちは救われたようにも見えますが
あの神樹様が一体次に何を考えているのかという不気味さもこれからの広がりを考えると
単純なハッピーエンドに見えずそれがまた物語にとって面白いことになりそうです。




全12話の放送が終わりました。

満開してからは物語の全てがどうすることも出来ない絶望に包まれていましたが
最後の最後で何とか希望を見ることが出来てよかったです。

この結城友奈は勇者であるですが、
それぞれのキャラが強い意志や思いやりを持っていて
誰も悪くなく、人のために友達のために必死に頑張ろうとする様子が
各話ですごく伝わってきただけに満開以降の展開は見ていて苦しかったです。

特にちゃんに至っては、今まで姉の風についていくだけだったところに
皆の応援とアドバイスによってようやく頑張れる歌という夢を見つけた直後にあの仕打ちですから
本当にあの時は神樹様を伐採しようかと思いましたよ。


物語が進むに連れて伏線が回収されていく様子も見ていて楽しめました。
最近はこのあたりをあまり丁寧に描くアニメ作品が少ないように思うので貴重です。
たとえば、最初に勇者になった時、美森さんだけ精霊が多く付いていたり。

そして、前日譚として、別の場所で公開されていた鷲尾須美は勇者であるとも
まさかアニメでここまで深く物語に関係してくるとは思いませんでした。
確かに須美美森さんは色が似ているなとは思いましたが、そのまま同じだったなんて。




キャラクターについては繰り返しにもなりますが
勇者部のメンバー全員がとても良い子たちで、
意志が強く、友達に対する思いやりが強く、
友達のそのためなら自分を犠牲にしてでも助けるという気持ちはまさに勇者でした。

友奈は普段はちょっと抜けてる感じがあるのに
いざという時はしっかり行動して皆を守る、勇者らしい勇者。

美森さんは最初は一見真面目なキャラのように見せかけて
一番の友達である友奈に対する想いが溢れていたり、
変なところで子供っぽくなったり、
ちゃんと出会った時にマジックを披露してあげる優しさがあったり楽しいキャラクターです。

はみんなを勇者部に巻き込んでしまった責任をずっと感じて、ある意味では可哀想なポジションのキャラなのですが
妹であるちゃんを大事にしている一方で
普段は軽い感じで冗談を言ったり場を和ませる役割をしっかり果たしている立派な部長でお姉ちゃんでした。

ちゃんは物語の中で成長を一番感じられるキャラクターです。
最初は弱々しい感じだったのが歌を楽しむことに出会ってからは
全てをお姉ちゃんに頼らずに自分の力で前に進もうと凄く頑張っていました。
満開の後遺症により声を失ってからも本当は辛いにも関わらず
皆の前ではいつも笑顔でスケッチブックを抱きしめるちゃんの儚さには泣きそうになりました。

途中からの参加となった夏凛ちゃんは
戦闘訓練を積んできた自身があっただけに、初めはちょっと調子に乗った感じで上から目線な要素もありましたが
良い人しか居ない勇者部のおせっかいと積極さにすぐに巻き込まれてしまい
勇者部に馴染み、終盤の戦闘では勇者部の皆のために頑張る勇士は印象的です。


そして「結城友奈は勇者である」といえば
全体を知った上で思い返すと、絶望の物語のイメージが強くなってしまいますが
ギャグ要素もあらゆるところに散りばめられていて
序盤の美森さんの夏凛ちゃんに対するぼた餅のこだわりや
美森さんの大きなそれに対するメガロポリス発言など、笑えるシーンも数多くあったのもこの作品の特徴だったと思います。


主題歌も良かったです。
オープニング曲「ホシトハナ」、そしてエンディング曲「Aurora Days」
物語が進むとその歌詞の意味が分かってきて少し恐怖すら感じるくらいでした。

「ホシトハナ」の「真実ほど人に残酷なものもないだろう」というフレーズはまさにそれでした。
その上で、今ある平和な日々を噛みしめるような歌詞の「Aurora Days」。

扱いとしては特別エンディング曲や挿入歌となりますが
ちゃんの「祈りの歌」も凄く良かったです。
黒沢ともよさんのスッと入ってくる引き込まれる歌声は物語にぴったりでした。


アニメ本編以外の部分では
すごく楽しいウェブラジオやニコ生などの配信の他、
アニメ公式サイトで見られる役に立つのか立たないのか分からない用語も多い用語集や、
他では見られないくらいこだわった御霊化するギミック付きBlu-rayパッケージ、
さらにはアニメに登場する勇者部のサイトを実際に立ち上げていたりと、
色んなところで遊び心があったのは好印象で、どれも楽しめました。

出演キャストの作品に対する思いが強いというのも
作品を見る上でとても大きく印象に残っています。


鷲尾須美から結城友奈へと引き継がれたこの物語としては
根本的な部分ではまだ解決していないだけに次に何か展開があるのではと期待もありますが
それはこれからの楽しみにしておきます。

もう一度初めから見返すと、また別の視点できっと楽しめる、
それくらいしっかり作りこまれた「結城友奈は勇者である」、とても熱く深く楽しむことが出来ました。素晴らしかったです。
オリジナルアニメならではの先が読めない展開を存分に楽しめました。

なせば大抵なんとかなる!





<公式サイト>
TVアニメ「結城友奈は勇者である」公式サイト
 用語辞典
讃州中学 勇者部電子広報
結城友奈は勇者である(@anime_yukiyuna)さん | Twitter




<関連エントリ>
[結城友奈は勇者である] - 深夜アニメ実況の果て